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2011 年度 実施状況報告書

中山間地域耕畜連携システムの持続性に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23780230
研究機関島根大学

研究代表者

井上 憲一  島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (60391398)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード耕畜連携システム / 中山間地域 / 農業経営 / 地域資源 / 持続性
研究概要

本研究の課題は,中山間地域耕畜連携システムの持続性を実証的に明らかにすることにある。そのために,システムの基本モデルを導出し,経営主体間の連携関係の構築過程や参加継続条件を分析する。また,中山間地域に特有の作業条件をふまえた上で,システムの最適規模を定量的に分析する。そして,これらの分析を通じて,中山間地域耕畜連携システムの実態に整合した支援施策のあり方について検討する。 本年度は,先行研究のサーベイを行い,研究期間・規模に適切な調査の範囲ならびに分析手法を選定し,現地情報をふまえた上で,中山間地域耕畜連携システムの基本モデルと経営主体間の連携関係,堆肥運搬散布サービスの作業効率に関する調査を実施した。調査対象は,集落営農組織と酪農協業組合からなる堆肥・稲藁循環利用を目的とした堆肥センター利用組合とした。 その結果,(i)中山間地域耕畜連携システムの展開において,耕種農家と畜産農家双方のニーズが存在することと,集落営農組織などの生産者組織の役割が重要であること,(ii)堆肥の継続的な施用により,高価格販売が実現しないまま支出が増加しても,収量の安定・増加によって収益性が低下しない可能性があること,(iii)堆肥の運搬散布サービスの供給コストは,経験・ノウハウの蓄積による労働費の圧縮によって低下する可能性があること,(iv)堆肥運搬散布サービスの作業効率の試算手順と,圃場分散が作業効率に及ぼす数量的な影響などを明らかにした。これらの結果は,学術雑誌等に公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画で掲げた,調査対象地の選定,中山間地域耕畜連携システムの実態把握,基本モデルの構築がおおむね達成されたため。

今後の研究の推進方策

次年度は,事例調査を継続実施して作業日誌などの作業技術データや経営データを取得する。また,構成する経営主体に対して連携関係の構築過程や参加継続条件に関する聞き取り調査とアンケート調査を実施する。そして,回収したデータや意識調査結果のデータベースを構築し,定性的分析ならびに定量的分析を行う。

次年度の研究費の使用計画

当初計画より少額の旅費で賄えたため,153千円の繰越が生じた。次年度は,請求額700千円とあわせた853千円について,次の内訳で使用する計画である。物品費300千円,旅費400千円,人件費・謝金80千円,その他73千円。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 圃場分散が堆肥運搬散布サービスの作業効率に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      井上憲一・藤栄剛・山岸主門
    • 雑誌名

      農業経営研究

      巻: 49巻1号 ページ: 33-38

    • 査読あり
  • [図書] 「中山間地域における堆肥・稲藁利用を軸とした耕畜連携システム-堆肥センター利用組合を事例に-」谷口憲治編『中山間地域農村発展論』2012

    • 著者名/発表者名
      井上憲一
    • 総ページ数
      123-140
    • 出版者
      農林統計出版

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公開日: 2013-07-10  

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