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2013 年度 実績報告書

資本支援プログラム―歴史的農業構築物の保全と企業的支援の日英比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 23780231
研究機関九州大学

研究代表者

野村 久子  九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (60597277)

キーワード英国の農業環境政策 / 歴史的農業構築物 / 世界農業遺産(GIAHS) / 生物多様性国家戦略 / フットパス / 農村振興 / 環境サービス / 非市場財の価値化
研究概要

H25年度は、英国の歴史的農業構築物保全に関寄する諸制度について学術雑誌や本の章として研究成果を寄稿あるいは出版した。
具体的には、英国とドイツの農業環境政策を比較し、今後の日本の農業環境支払制度「環境保全型農業直接支援対策」充実化のため提言できる点を政策レベルと制度レベルに分け、農業環境制度がもたらす生物多様性向上への寄与について考察した。
まず、政策レベルでは、生物多様性国家戦略と農業環境政策を横断的にリンクさせることにより、生物多様性戦略と農業環境政策の指標生物を同じにすることで関連付けがされており、農業環境政策の意義を確たるものにしていることを示した。
次に、制度レベルでは、農業環境支払の支払われ方に生物多様性保全のためのインセンティブが働くような工夫が凝らされている。そして、具体的な事例比較として、英国イングランドとドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州とニーダーザクセン州の制度を事例として、各制度の経済的根拠を整理し、それぞれの支払い方法の利点と欠点をまとめ、生物多様性向上のための日本に適した取り組みについて論文発表した。
また,歴史的構築物を保全するのみでなく維持・継承していく必要があり、それはFAOが推奨する世界農業遺産(GIAHS)登録と理念を同じくする。そのための仕組みづくりとして農村振興への仕組みづくりに、英国にある一般市民が歩くことのできるパプリック・フットパスの整備に着目した。フットパスには,レクリエーション機能のみならず,地域経済への貢献,自然保護,景観保全,また持続可能な農業生産の共存といった環境サービスの提供により,地域振興に一役担っている。英国サウスダウンズ国立公園を調査地として,フットパスの価値評価を行い,現在知られている観光を通じた経済価値以外にも、フットパスが環境サービス価値も持ち合わせることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 欧州の農業環境支払い制度における生物多様性評価とその手法2013

    • 著者名/発表者名
      野村久子
    • 雑誌名

      JATAFFジャーナル

      巻: vol.1(7)

  • [雑誌論文] Deconstructing satoyama – The socio-ecological landscape in Japan2013

    • 著者名/発表者名
      Mochamad Indrawan et. al.
    • 雑誌名

      Ecological Engineering

      巻: 64 ページ: 77-84

    • DOI

      10.1016/j.ecoleng.2013.12.038

    • 査読あり
  • [図書] 草地畜産の持つ多面的機能とアニマルウェルフェア2014

    • 著者名/発表者名
      矢部光保
    • 総ページ数
      237
    • 出版者
      農林統計出版

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公開日: 2015-05-28  

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