研究課題
本研究の目的は,現在まで不明な点が多い土中の土粒子移動についての実験的かつ理論的な研究を遂行することにより,これまでにない土粒子移動を考慮した土質力学の学問体系を創造することにある.具体的には,土中で生じる土粒子の移動・輸送現象について定量的な把握を行うとともに,その現象を予測するための数値計算手法を開発することを行った.最終年度(平成25年度)に実施した研究は、浸透流によって流出する砂の理論的考察とその数値解析手法の構築である。これらの研究は,昨年度までに実施した実験的研究に照らし合わせて行われた。得られた結論をまとめると以下のようである。砂の流出に関する理論では,一次元上向きのボイリング現象を対象とした。支配方程式に土と浸透水の運動方程式を採用すると,水と土粒子の非圧縮性と一様流を仮定すると,それらの速度についての連立常微分方程式に帰着する。動水勾配と浸透流速の関係にダルシー則を用いた場合に,その方程式の厳密解を導き,浸透破壊後の浸透水と土粒子速度についての特徴を明らかにした。数値解析手法の構築においては,CWENOスキームを用いてオイラー的に記述された支配方程式を解くことで,土粒子の流亡過程のシミュレーションを可能にした。前年度までに開発を進めていたものに,土骨格の弾完全塑性構成モデルを導入し,弾塑性材料である土が有効応力を失うことで流動化する過程をシミュレートした。その結果,一次元の計算において上述の理論解と良好な一致を見せるとともに,二次元の土の流亡計算が可能であることを示した。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
地盤工学ジャーナル
巻: - ページ: -
Geotechnical Engineering Journal of the SEAGS & AGSSEA
巻: Vol.43, No.2 ページ: 8-16
農業農村工学会論文集
巻: 第287号 ページ: 35-44
http://www.agrifacility.kais.kyoto-u.ac.jp/