研究課題
平成25年度は,時間と温度の両方を関数とした品質変化のモデル式の構築を目的として,積算温度を指標としたコマツナの遠赤外線乾燥過程における品質変化予測モデルの最適化を行った.また,キャベツの遠赤外線乾燥過程において,エネルギー消費量のデータも加味し,省エネルギーかつ高品質な遠赤外線乾燥条件の検討に資するデータ解析を実施した.さらに,比較的取り扱いが簡便なキウイフルーツを用い,熱風乾燥過程における硬度,L-アスコルビン酸,および抗酸化活性変化について,反応速度論による品質変化予測モデルの構築を試みた.[コマツナの遠赤外線乾燥] 温度と時間の2つのパラメータを同時に考慮できる積算温度を品質評価の指標とすることにより,最適乾燥条件の検討の際に有用となる可能性が示唆された.[キャベツの遠赤外線乾燥] L-アスコルビン酸残存率は乾燥方法に関係なく,アスコルビン酸オキシターゼ(AO)の活性の至適温度領域での積算温度が小さいほど高くなる傾向がみられた.また,比較対象である熱風乾燥に対する遠赤外線乾燥の消費電力量削減率は,24%~27%程度となった.[キウイフルーツの熱風乾燥過程における品質変化]キウイフルーツの熱風乾燥過程における硬度変化,L-アスコルビン酸変化は1次反応速度式,抗酸化活性は0次反応速度式によりそれぞれ表されることが示された.以上、本研究では、遠赤外線乾燥の農産物分野への利用した際の最適乾燥条件の検討に必要な乾燥特性、品質変化、消費電力量について検討した。本研究で得られた品質変化の予測モデル式及びそのパラメータは,遠赤外線乾燥による乾燥青果物の製造過程における品質の管理や制御,または最適乾燥条件の検討に有益となると考えられる.
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