わが国では,仔豚を分娩から3-4週で強制離乳する。離乳は,仔豚の栄養の充足や良好な生育を基準にせず,母豚の発情周期又は分娩ストールの状況で決定される。近年,ウイルス症が経営を著しく悪化させており,離乳時期を遅らせて仔豚への移行免疫を充分確保させるべきという機運が高まっている。しかし,仔豚の離乳時期を総合的に検討した事例はない。本研究は,離乳時期を変えた仔豚の腸管を栄養学,遺伝学,免疫学的及び病理組織学的に解析し,わが国の養豚生産システムに適した離乳時期を決定することを目的とした。 その結果,どの側面からも14日齢離乳は早すぎ,少なくとも21日齢まではほ乳を継続させることが必要であると考えられた。
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