筋肉部位間における香気成分の違いを明らかにすること及び香気成分の違いに影響を及ぼす因子の解明を目的として本研究を行った。5種類のブタ骨格筋(中間広筋、横隔膜、大腰筋、胸最長筋、半腱様筋)を用いて、ガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)による揮発性物質の同定および定量を行った。GC-MSの結果、約100ピークを検出し、14種類の揮発性物質を同定した。揮発性物質総量は、半腱様筋および胸最長筋において中間広筋よりも多かった。揮発性物質総量と遅筋型ミオシン重鎖量との間に有意な負の相関がみられた(r = -0.56, P < 0.01)ことから、揮発性物質総量に対する筋線維型の関与が示された。
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