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2012 年度 実績報告書

新規エネルギー代謝調節因子による抗肥満メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23780296
研究機関宮崎大学

研究代表者

秋枝 さやか  宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 助教 (20549076)

キーワードマクロファージ / 脂肪細胞 / 肥満 / 高脂肪食耐性動物 / エネルギー代謝調節
研究概要

申請者は、高脂肪食を持続摂取しても体重増加を認めず、腸間膜脂肪蓄積のきわめて少ない高脂肪食耐性(diet-resistant ; DR)ラットに着目し、腸間膜脂肪組織のDNAマイクロアレイ解析によってDR特異的変動遺伝子を網羅的に解析した。その結果、DRラットでは、本来腸管上皮に発現しているペプチドホルモンであるグアニリンとその受容体であるGC-Cがマクロファージに高発現していることを見出した。これらの分子を発現しているマクロファージと初代脂肪細胞を共培養すると、脂肪細胞の脂肪滴蓄積が少なくなり、脂肪酸合成や脂肪滴形成に関わる遺伝子の発現が減少していた。また、同分子をsiRNAによりノックダウンしたマクロファージと脂肪細胞との共培養を行うと、脂肪細胞の脂肪滴蓄積抑制効果や、脂肪酸合成および脂肪滴形成に関わる遺伝子の発現低下作用は認められなくなった。これらのことから、マクロファージのグアニリン/GC-Cは、脂肪滴蓄積を制御していることが示唆された。
マクロファージ特異的にグアニリン/GC-Cを導入した遺伝子改変動物(ダブルTgラット)を作製し、グアニリン/GC-Cと肥満との関連を検討した。Tgラットを普通食で飼育した場合には、摂取エネルギーや体重は野生型(WT)と差がなかったが、高脂肪食(HFD)で飼育した場合は、摂取エネルギーに差は認められないものの、Tgラットの体重はWTに比べ有意に低下していた。また、HFD Tgラットでは、脂肪細胞の肥大化を認めず、腸間膜脂肪組織の脂肪酸合成酵素および脂肪滴形成蛋白の発現低下に加え脂肪酸β酸化関連酵素の発現増加を認めた。さらに、HFD Tgラットは肝臓でも脂肪蓄積が減少していた。以上の結果から、マクロファージのグアニリン/GC-Cシステムは、脂質代謝の制御を通じて脂肪蓄積抑制に機能することが示された。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of guanylin and GC-C in rat mesenteric macrophages in resistance to high-fat diet.2013

    • 著者名/発表者名
      Akieda-Asai S, Sugiyama M, Miyazawa T, Koda S, Okano I, Senba K, Poleni PE, Hizukuri Y, Okamoto A, Yamahara K, Mutoh E, Aoyama F, Sawaguchi A, Furuya M, Miyazato M, Kangawa K, Date Y
    • 雑誌名

      Journal of Lipid Research

      巻: 54 ページ: 85-96

    • DOI

      10.1194/jlr.M029017

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Metabolic features of rats resistant to a high-fat diet.2013

    • 著者名/発表者名
      Akieda-Asai S, Koda S, Sugiyama M, Hasegawa K, Furuya M, Miyazato M, Date Y
    • 雑誌名

      Obesity research and clinical practice

      巻: - ページ: in press

    • DOI

      10.1016/j.orcp.2013.01.004

    • 査読あり
  • [学会発表] Over expressions of guanylin and GC-C in rat mesenteric macrophages are involved in resistance to high-fat diet.2013

    • 著者名/発表者名
      Date Y, Akieda-Asai S, Kangawa K, Miyazato, M
    • 学会等名
      Keystone symposia
    • 発表場所
      Keystone resort (Colorado, USA)
    • 年月日
      20130127-20130201
  • [学会発表] グルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1)とレプチンの摂食抑制相乗効果に関与する分子機構の解明.

    • 著者名/発表者名
      秋枝さやか, Poleni PE, 櫻井麻矢, 幸田修一, 古谷真優美, 伊達紫
    • 学会等名
      第85回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
  • [学会発表] ウシの腸間膜脂肪におけるグアニリルシクラーゼCとグアニリンによる脂肪滴蓄積抑制.

    • 著者名/発表者名
      川端惇也, 保田昌宏, 那須哲夫, 秋枝さやか, 伊達紫
    • 学会等名
      第154回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      岩手大学(岩手県)
  • [学会発表] 高脂肪食耐性ラット特異的発現遺伝子による脂肪滴蓄積抑制.

    • 著者名/発表者名
      秋枝さやか, 櫻井麻矢, 長谷川和哉, 伊達紫
    • 学会等名
      第154回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      岩手大学(岩手県)
  • [学会発表] グルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1)とレプチンの同時投与による摂食抑制効果に関する分子機構.

    • 著者名/発表者名
      秋枝さやか, ベチョロン, 長谷川和哉, 伊達紫
    • 学会等名
      第39回日本神経内分泌学会
    • 発表場所
      北九州国際会議場(福岡県)
  • [学会発表] 高脂肪食耐性 (Diet-Resistant)ラット特異的発現遺伝子による脂肪滴蓄積制御.

    • 著者名/発表者名
      秋枝さやか, 宮澤崇, 宮里幹也, 寒川賢治, 伊達紫
    • 学会等名
      第33回日本肥満学会
    • 発表場所
      ホテルグランヴィア京都(京都府)
  • [学会発表] グアニリン/グアニル酸シクラーゼCダブルトランスジェニックラットは肥満抵抗性を示す.

    • 著者名/発表者名
      伊達紫, 秋枝さやか, 長谷川和哉, 宮澤崇, 宮里幹也, 寒川賢治
    • 学会等名
      第33回日本肥満学会
    • 発表場所
      ホテルグランヴィア京都(京都府)
  • [学会発表] ソフトペレット(軟食)で飼育したラットは肥満と耐糖能異常を呈する.

    • 著者名/発表者名
      ペ・チョロン, 仙波和代, 秋枝さやか, 伊達 紫
    • 学会等名
      第33回日本肥満学会
    • 発表場所
      ホテルグランヴィア京都(京都府)
  • [学会発表] 肥満抵抗性ラットの炎症性マーカーの検討.

    • 著者名/発表者名
      長谷川和哉, 秋枝さやか, 伊達紫
    • 学会等名
      第3回若手ペプチド・ホルモン研究会, 第37回日本比較内分泌学会大会・サテライト企画~中堅・若手の会合同
    • 発表場所
      福井大学(福井県)
  • [学会発表] 肥満抵抗性ラットから見出した生理活性物質による脂肪滴蓄積抑制作用.

    • 著者名/発表者名
      秋枝さやか, 長谷川和哉, 伊達紫
    • 学会等名
      第3回若手ペプチド・ホルモン研究会, 第37回日本比較内分泌学会大会・サテライト企画~中堅・若手の会合同
    • 発表場所
      福井大学(福井県)
  • [学会発表] 肥満抵抗性ラットの解析.

    • 著者名/発表者名
      伊達紫, 秋枝さやか
    • 学会等名
      第9回宮崎サイエンスキャンプ
    • 発表場所
      宮崎シーガイアコンベンションセンター(宮崎県)
    • 招待講演
  • [学会発表] マクロファージのグアニリン/GC-Cによる脂肪滴蓄積制御機構.

    • 著者名/発表者名
      秋枝さやか, 長谷川和哉, 保田昌宏, 伊達紫
    • 学会等名
      第155回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
  • [備考] 宮崎大学フロンティア科学実験総合センター 生理活性物質機能解析分野

    • URL

      http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/peptides/date/jp/

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公開日: 2014-07-24  

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