研究概要 |
2011年度実績概要RVFVのL蛋白に存在するロイシンジッパー(LZIP)の200、214及び221位のロイシン(L)が、207位と同様にLのRNAポリメラーゼ機能に必須であるか調べた。まず始めに、Lに類似のアミノ酸に変換可能か否か明らかにするために、各Lをバリン(V)変換したミュータント(L200V, L207V, L214V, L221V)、およびコントロールとしてLZIP以外のL(192、および221位)をVにしたミュータント(L192V, L222V)を定法により作成し、RNA複製能をミニゲノムアッセイにて調べた。T7を恒常的に発現するBHK/T7-9細胞にL蛋白、,N蛋白およびミニゲノム(ルシフェラーゼ)をコードするT7プラスミドをトランスフェクションし、ルシフェラーゼ(rLuc)発現量をアッセイキットにて測定した。L200V 及びL207Vの値はバックグランドレベル、L214Vは親株と同等、L221Vは親株の50%であったことから、L200V 及びL207Vはポリメラーゼとして機能せず、L221Vは低下したことが示唆された。ミニゲノムの複製および転写産物に相補的なDIG標識プローブを用いたノーザンブロットにてRNA産物を検出したところ、rLuc発現量と一致してRNA産物が減少していた。以上のことから、200、207、221位のLはL蛋白の機能に必須であり、他のアミノ酸には置換できないことが明らかになった。214位のロイシンについては、他のブニヤウイルスではイソロイシン(I)として保存されている。そこでRVFVのLをL変換したミュータント(L214I)を作成し、ミニゲノムアッセイを行ったところ、rLuc発現量およびRNA発現量に変化はなく、ポリメラーゼ機能を維持していた。よって、ブニヤウイルスのL蛋白の214位はL類似のアミノ酸でも機能することが示唆された。
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