イヌの脳Perfusion CT解析において,異なる解析条件(解析アルゴリズム,解析スライス厚,マトリクスサイズ,ノイズ除去強度)により得た解析値を比較し,変動を明らかにし,その結果に基づいて血流解析に適した条件を明らかにした.ビーグル犬を用いてダイナミックCT撮影を行い解析アルゴリズム(box-MTF法およびSVD+法),スライス厚(4 mmおよび8 mm),解析マトリクスサイズ(512 × 512,256 × 256および128 × 128)およびノイズ除去強度(強および弱)それぞれの組み合わせを用いてカラーマップを取得し,それぞれのマップにおいて灰白質,白質,基底核,海馬,視床,小脳の脳血流量 (CBF) および脳血液量 (CBV) を算出した.また,灰白質および白質の条件間の解析値を比較した.いずれの条件についても解析後の血流マップはイヌ脳の解剖学的構造を逸脱しなかったが,視覚的な違いが認識された.また,異なる条件間で解析値に有意差が認められた.本研究において全ての解析条件でイヌの脳灌流を測定することができたが,異なる解析条件は解析値に差をもたらす原因となる可能性があるため,同一の撮影条件を適用する必要がある.また,イヌでは薄い解析スライス厚の利用が望ましいと考えられる.
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