研究概要 |
本研究課題では、抗炎症作用を有する新しいがん治療薬として期待されており、新規キセニチン骨格を有するアステロラウリン A、B および D のエナンチオ選択的な合成法を確立し、さらに、これらの合成法を応用しヒト大腸がんに対して強力な生物活性を有する新規トリシクロ[4.3.1.0] デカン骨格を有するプルミスクレイン A の全合成へと発展させ、その絶対立体配置の決定、並びに構造活性相関研究への発展を目的として行った。 平成25年度は、本研究課題にも関係する全合成および新規反応の技能および知識の取得を目指し、平成25年4月から平成26年3月までの1年間、米国オレゴン州立大学化学科 Rich G. Carter 研究室へ海外研修留学を行った。Carter 研究室では、アステロラウリン類の基本骨格の構築にも応用可能な新しいマクロ環化合物の構築法および全合成研究を行っており、本研究課題を遂行する上で重要な知見および技術を習得することができた。すなわち、新規合成した種々のプロパルギルベンゾエート類縁体に対して銀(I) 触媒を用いた閉環反応を行うことにより効率的に環状化合物を合成することが可能である。なお、これらの研究業績は、アメリカ化学会の 68th ACS Northwest Regional Meeting (NORM13, July 21-24, 2013, Corvallis, OR、ポスター発表) および 247th ACS National Meeting & Exposition (March 16-20, 2014, Dallas, TX、口頭発表) において研究成果の発表を行った。
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