研究課題
インドネシア産ショウガ科植物BANGLE のメタノール抽出物は,NGF非存在下,25μg/mLの濃度でPC12細胞の神経様細胞への分化誘導作用を示した。PC12細胞の分化誘導活性を指標にして活性画分を中心にシリカゲルカラムクロマトグラフィー,HPLCにより精製を行った結果,新たに3種の新規化合物の単離に成功した。新規化合物の構造は既知化合物とのスペクトルデータの比較ならびに 2D NMR の詳細な検討により決定した。新規化合物の中でも特に,クルクミン前駆体とフェニルブテノイドとのDiels-Alder反応によって生成する非常にユニークな構造を有する新規化合物を見出すことに成功した。本化合物はPC12細胞の分化誘導活性作用はないが,NGF存在下におけるPC12細胞の突起伸展促進活性を有することがわかった。また,アミロイドβの凝集を抑制する効果が認められた。興味深いことに,アミロイドβの凝集抑制作用は本植物の活性本体であるフェニルブテノイド二量体には認められなかった。現在,神経幹細胞株MEB5細胞に対する活性を検討中である。神経栄養因子様活性物質ライブラリー群の1つであるタラウミジンの4つの立体化学における立体異性体合成を行った。最も強力な活性を示したタラウミジンの立体異性体構造をフラン環の置換基など各種誘導体合成を行った。現在,10種類の誘導体を合成し,PC12細胞を用いてスクリーニングを実施している。
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