研究課題/領域番号 |
23790039
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
日比 輝正 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (50554292)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | イメージング / 破骨細胞 / 脂肪細胞 / 蛍光タンパク質 / 膜融合 |
研究概要 |
本研究は、生体内で様々に分化し専門的役割を担う機能特化細胞のうち、破骨細胞と脂肪細胞を用いて、新開発の超解像多光子顕微鏡と蛍光タンパク質の組み合わせることで細胞内膜動態を高空間分解能で可視化解析を行ない、小胞輸送・膜融合に働く分子の働きを明らかにするものである。H23年度は、変異型VAMP-7の発現プラスミドの準備、培養細胞を用いた分化誘導系の実験条件の改善、観察に用いる顕微鏡周りの整備を行なった。計画当初は、脂肪細胞として3T3-L1細胞を用いる予定であったが、更に3T3F442A細胞、C3H10T1/2細胞について比較検討を行なったところ、C3H10T1/2細胞が遺伝子導入効率と分化誘導効率が良かったため、以降の研究ではC3H10T1/2細胞を使用することとした。また、破骨細胞の培養系に関しては、リン酸カルシウム基板以外に象牙切片に関しての検討も行なって、それぞれの特性を把握した。一方、変異型VAMP-7の発現プラスミドについては次年度に計画していたが、計画よりも前倒しで進めることが可能だったため、中間体までの作製を完了することが出来た。また、ライブイメージングを進めるために顕微鏡用のチャンバーについても様々に検討を行ない、超解像多光子顕微鏡においても実用的なイメージング用チャンバーの作製を行なった。H24年度はこれらを組み合わせ、作製したプラスミドを基に更に改変を行ない、遺伝子導入によって蛍光タンパク質を発現するようにした各機能特化細胞について、高分解能での顕微鏡観察を行なう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画では、脂肪細胞への分化に3T3-L1細胞を用いる予定であったが、その後の検討により、C3H10T1/2細胞を用いた方が今後の実験効率を大きく上昇させると判断し、用いる培養細胞を切換えた。観察に用いる超解像多光子顕微鏡に関し、装置の故障等のトラブルが発生したことと装置の駆動条件の見直しが必要になった。更に、破骨細胞の機能評価で用いる予定であったリン酸カルシウム基板(BD社)が生産中止になり、急遽、代替品の評価を行なう必要があった。このようなトラブルから、当初予定していた、画像からの膜動態に関するパラメータの解析実験とRNA干渉の実験が遅れている状況にある。以上の状況から、達成度としては「(3)やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
用いる培養細胞の種類を分化効率の良いC3H10T1/2細胞に切換えたことで、当初の研究計画よりも効率良く研究を進めることが可能になったと考えている。一方で、今年度から新たに大学院生へのテーマの割り当ても行ない、遅れているRNA干渉の実験を中心に研究の推進を図る。また、今後ハードウェアのトラブルが起こった場合に備え、本研究で用いる顕微鏡の高解像化技術を複数の顕微鏡で実現できるように改善を図り、ハードウェアトラブルの影響が最小限となるように努力する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記のような進捗の遅れとトラブルへの対応を行なう必要があったことから、予定していた米国開催の学会への参加を延期し、H24年4月にシンガポールで開催の国際会議での発表に切換えた。そのため、H23年度に使用予定であった当該旅費をH24年度に使用することになった。それ以外はおおむね計画通りの使用状況であり、計画に従った使用を予定している。
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