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2012 年度 実績報告書

生体電子伝達体をプローブとするミトコンドリア機能可視化法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23790050
研究機関九州大学

研究代表者

兵藤 文紀  九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10380693)

キーワードイメージング / レドックス / ミトコンドリア
研究概要

本課題研究では生体電子伝達体を磁気共鳴法のプローブとする新規機能イメージング法を開発することを目的として研究を進めてきた。ミトコンドリア電子伝達系におけるATP産生の過程では様々な電子伝達体が電子の授受に関与することが知られている。そのなかでも重要なユビキノン(CoQ10)は呼吸鎖I、IIから電子を受けIIIへ送る機能を担っている。本研究においてユビキノンがアルカリ性下で高濃度のユビセミキノン(ラジカル中間体)を形成し、さらにエレクトロンドナーであるNADHの添加でも同様に形成することを明らかにした。特にNADHの添加に着目し、CoQとNADHで作製したセミキノンラジカルは無酸素下で比較的安定であり、OMRIにおいて可視化できることを示した。さらにCoQHはNADHの濃度依存的に生成されることを明らかにした。ミトコンドリア機能可視化の可能性を検討するためにCoQHとミトコンドリアを反応させた結果、COQHはミトコンドリアにより速やかに代謝され、その代謝速度はミトコンドリアの容量依存的であった。さらに不活性化したミトコンドリアを用いた場合には代謝がほぼ完全に抑制されたことからCoQHをプローブとして用いることでミトコンドリア機能を評価できることが明らかとなった。電子伝達系呼吸鎖IIの機能評価法としてDecylCoQを用いた方法を知られている。本法で検討したCoQ0が呼吸鎖IIからの電子の授受に関与するか検討したところ、DecylCoQと同様に電子の授受に寄与しさらにその効果はDecylCoQに比べ高いことが明らかとなった。これらの結果より電子伝達体であるCoQをOMRIのプローブとして活用することで、ミトコンドリア機能を可視化できることが明らかとなった。今後は本研究をさらに発展させることで、ミトコンドリア関連疾患のOMRIを用いた機能解析への展開が期待される。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Permeability Studies of Redox-Sensitive Nitroxyl Spin Probes Through Lipid Membranes Using an L-Band ESR Spectrometer2013

    • 著者名/発表者名
      Benial M
    • 雑誌名

      Appl Magn Reson

      巻: 44 ページ: 439-447

    • DOI

      10.1007/s00723-012-0383-0

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Whole-body kinetic image of a redox probe in mice using Overhauser-enhanced MRI. Free Radic Biol Med2012

    • 著者名/発表者名
      Kosem N, Naganuma T, Ichikawa K, Phumala Morales N, Yasukawa K, Hyodo F, Yamada KI, Utsumi H
    • 雑誌名

      Free Radic Biol Med

      巻: 53(2) ページ: 328-36

    • DOI

      DOI:10.1016/j.freeradbiomed.2012.04.026

  • [雑誌論文] The relationship between tissue oxygenation and redox status using magnetic resonance imaging2012

    • 著者名/発表者名
      Hyodo F
    • 雑誌名

      Int J Oncol

      巻: 41(6) ページ: 2103-8

    • DOI

      10.3892/ijo.2012.1638

    • 査読あり
  • [学会発表] 磁気共鳴イメージング法を用いたレドックス疾患の解析と抗酸化物質の評価2012

    • 著者名/発表者名
      兵藤文紀
    • 学会等名
      第51回電子スピンサイエンス学会
    • 発表場所
      北海道、日本
    • 年月日
      20121101-20121103
    • 招待講演
  • [学会発表] OMRIを用いた肺のレドックスイメージング:転移癌モデルマウスへの応用2012

    • 著者名/発表者名
      兵藤文紀
    • 学会等名
      第51回電子スピンサイエンス学会
    • 発表場所
      福岡、日本
    • 年月日
      20121101-20121103
  • [学会発表] Non-invasive analysis of in vivo redox status on cisplatin induced nephrotoxicity using Overhauser-MRI2012

    • 著者名/発表者名
      Fuminori Hyodo
    • 学会等名
      EUROMAR2012
    • 発表場所
      ダブリン、アイルランド
    • 年月日
      20120629-20120701
  • [学会発表] 酸化ストレス疾患解明のための生体レドックスイメージング法の開発2012

    • 著者名/発表者名
      兵藤文紀
    • 学会等名
      第51回日本生体医工学会
    • 発表場所
      福岡、日本
    • 年月日
      20120510-20120512
    • 招待講演
  • [備考] レドックスナビ拠点内レドックスイメージンググループホームページ

    • URL

      http://redoxnavi.kyushu-u.ac.jp/group7/

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公開日: 2014-07-24   更新日: 2023-03-16  

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