研究概要 |
本研究では MTP の立体構造を解析し、その輸送メカニズムを解明することで、MTP がかかわる疾患の理解、治療に貢献することを目的とし、ヒトの疾患との関連が明らかな 13 種の MTP の大腸菌発現系を確立し、発現および精製条件の検討を行った。その結果、UCP1, ORC1, CAC, ODC (36K)と GC1(38K)で良好な発現が観察された。その他のMTP については発現量がわずかであり構造解析には適さないと判断した。しかしながら発現した MTP はすべて不溶画分に移行しており、可溶化条件の検討が必要となった。様々な界面活性剤をもちいた可溶化を検討したが、一部が可溶性分に移行するのみで十分な効率での可溶化に成功しなかった。最近、海外のグループがマウス UCP2 の大腸菌を用いた発現および構造解析に成功した。これを鑑みると異種由来の MTP をより広く解析候補とするなどの工夫が必要と考えられる。
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