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2012 年度 実績報告書

生理活性脂質リゾホスファチジン酸の様々な線維症における機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 23790071
研究機関東北大学

研究代表者

奥平 真一  東北大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (90570060)

キーワードリゾホスファチジン酸 / 線維症 / オートタキシン
研究概要

われわれは様々なATX阻害剤の確立に成功し、阻害剤をマウス腎線維化モデルである片側尿管結紮(UUO)モデルに投与すると、腎線維化が顕著に抑制されることを見出した。一方で、PA-PLA1a KOマウスにおいては、線維化の抑制は見られなかった。以上の結果から、腎線維症ではLPAがATXによって産生されることが示された。一方、ATX/LPA経路がどのように活性化され腎線維症を引き起こすかは不明である。
ところで、われわれはATXに対する特異的抗体を調製し線維化腎臓におけるATXの局在を調べたところ、一部の尿管の管腔内において、および浸潤細胞の表面で強い染色像が認められた。一方、LPAを含む様々なリゾリン脂質のLC/MSによる定量系を確立し、結紮した側の腎臓に蓄積した尿の脂質解析を行ったところ、ATXの基質であるリゾホスファチジルコリン(LPC)が増加していることを見出した。特にATXのよい基質となる不飽和脂肪酸含有LPCが顕著に増加していた。肺線維症モデルにおいても同様な結果が得られた。以上の予備的知見から申請者は「線維症疾患では、ATXが何らかの機構で局在化し、さらにその基質が増えることでATXは局所でLPAを産生し、線維症病態発現に寄与する」と想定した。われわれが最近明らかにしたATXの結晶構造より、ATXは細胞膜成分と相互作用しうる特定の領域を持ち、細胞膜上のLPA受容体に効率よくLPAを受け渡しているモデルが示されたが、このことも上述のわれわれの仮説を支持する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Constitutive lymphocyte transmigration across the basal lamina of high endothelial venules is regulated by the autotaxin/lysophosphatidic acid axis2013

    • 著者名/発表者名
      Bai Z
    • 雑誌名

      J Immunol

      巻: 190 ページ: 2036-2048

    • DOI

      10.4049/jimmunol.1202025

    • 査読あり
  • [学会発表] 線維症におけるリゾホスファチジン酸の解析2013

    • 著者名/発表者名
      奥平真一、久保裕司、青木淳賢
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2013-03-28

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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