研究課題
1.現在までに、organic cation transporter 2(OCT2)はプトレスシン(PUT)、スペルミジン(SPD)、アグマチン (AGM)を取り込むことが報告されている。そこでOCT1、OCT2、OCT2-A、OCT3、OCTN1、OCTN2、MATE1及びMATE2-KをHEK293細胞に形質導入し、ポリアミン輸送活性を調べた。その結果、OCT2がスペルミン(SPM)を、hOCT3がAGMを取り込むことを新たに明らかにした。OCT1、OCT2-A、OCTN1、OCTN2、MATE1及びMATE2-Kによるポリアミン輸送活性は認められなかった。OCT2-AはOCT2のC末端側が欠損したスプライスバリアントであることから、OCT2のC末端側がポリアミン輸送に重要であることが考えられた。OCT2のC末端側に注目し、ポリアミン輸送に関与するアミノ酸残基の探索を行った。その結果、OCT2のAsp427、Glu448、Glu456、Asp475、Glu516及びGlu530の6種がPUT及びAGMの輸送に重要であった。一方、SPDの輸送活性にはGlu448を除いた上記5種のアミノ酸の他、Glu527及びAsp551の7種が必要であり、二価と三価のアミンでOCT2の基質認識部位が異なることが明らかとなった。2.SPM取り込みは、ヘパラン硫酸 (HS)プロテオグリカンであるグリピカン-1(GPC1)のHSとSPMの結合を介したエンドサイトーシスに依ることが示唆されている。HEK293細胞を用いてGPC1によるSPMの輸送活性を検討した結果、SPMに対するkm値は1.74mMと親和性は低かった。またHS欠損株pgsA-745のSPM輸送活性は、野生型と比べほとんど変化が認められなかったことから、生理条件下においてHSはポリアミン輸送に関与していないことが明らかとなった。
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