本研究課題で開発した小動物用ギャンブルテストはげっ歯類の意思決定を解析することができる行動試験法として有用であり、正常ラットの場合、ヒトと同様にリスクや損失を回避し、報酬を効率良く獲得するための行動を選択することが示唆された。一方、覚せい剤依存ラットでは予期せぬ報酬や罰を過大評価することで、ハイリスク-ハイリターンを好み、結果的に獲得報酬量が少なくなることが分かった。さらに、覚せい剤依存ラットにおける意思決定の異常に関連する脳領域として、島皮質-線条体神経回路の活性化が関与する可能性が示唆された。
|