研究課題/領域番号 |
23790088
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
細井 徹 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (40379889)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | レプチン / 小胞体ストレス |
研究概要 |
肥満は糖尿病、高血圧、高脂血症といった生活習慣病の主要な危険因子である。しかしながら、その治療薬は対処療法によるものが主であり、新しい治療薬の開発が必要とされている。レプチンは、主に脂肪組織より循環血液中に分泌され、視床下部に作用し、摂食抑制、エネルギー代謝亢進作用により抗肥満作用を誘発する蛋白質である。近年、レプチン抵抗性が肥満の原因として注目されており、従ってレプチン抵抗性改善薬は、肥満及や生活習慣病の治療に有効であると考えられている。今回私達は、小胞体ストレス(不良品蛋白質の過剰蓄積によって生じるストレス)に着目し、レプチン抵抗性の原因を明らかにし、有効な薬物の探索を試みた。 本研究の結果、生体内小胞体ストレス誘発因子であるホモシステインとアデノシンが、レプチンシグナルを抑制することを見いだした。従って、生体において過剰量のホモシステインとアデノシンは、小胞体ストレスを惹起し、レプチン抵抗性を誘発している可能性が示唆された。次に、小胞体ストレスを標的とした薬物の検討を試みた。その結果、フルルビプロフェンが、培養細胞レベルで小胞体ストレスによる細胞死を抑制することを見いだした。さらに、フルルビプロフェンは、小胞体ストレスによるレプチンシグナルの抑制に対して改善効果を示すことが明らかになった。従って、フルルビプロフェンは、小胞体ストレスによるレプチン抵抗性に有効な薬物である可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験も順調に進み、当初の計画通りに研究が進んだと考えております。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度の研究計画の結果に基づき、引き続き、フルルビプロフェンの作用メカニズムの詳細についてさらに、培養細胞レベルのみならず個体レベルでも検討を試みる。また、免疫応答及び小胞体ストレスとのクロストークのメカニズムついて検討を行い、肥満や生活習慣病発症機構の解明を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
使用機器は整っているため、上記研究計画に必要な試薬等の消耗品を中心として研究費を使用する予定。
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