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2011 年度 実施状況報告書

赤血球・血小板におけるスフィンゴシン1リン酸輸送機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23790093
研究機関帝京平成大学

研究代表者

小林 直木  帝京平成大学, 薬学部, 助教 (90532250)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードS1P / スフィンゴシン / 輸送体 / トランスポーター / 赤血球 / 脂質
研究概要

胸腺・脾臓から血液中へのリンパ球の移出には、血漿中に一定濃度存在するS1Pが重要な役割を担っている。血漿中のS1Pは主に赤血球から供給されており、私は以前に、赤血球のS1Pが輸送体を介して細胞外へ放出されることを明らかにしている。本研究では、S1P放出輸送体が免疫抑制剤の新しいターゲットになると考え、S1P輸送担体の同定を試みている。 S1Pの輸送活性が測定できている赤血球の反転膜からS1P輸送担体を単離・同定することを目的として、光反応性S1P-biotinを合成し、赤血球反転膜の光親和性ラベリングを行った。S1P-biotinによりラベルされたタンパク質を、アビジンHRPを用いたウェスタンブロッティングにより検出したところ、約85 kDaの濃いバンドが観察された。このバンドは、UV照射依存的であり、過剰量のS1Pを加えることで、ラベル量が減少したことから、S1Pに特異的なラベリングであることが確認された。アビジンビーズを用いてラベルされたタンパク質を精製し、SDS-PAGEで分離後、質量分析を行った結果、SLC16A1, SLC43A1, SLC40A1, SLC14A1, RHD, CD36が同定された。これらの遺伝子をクローニングし、培養細胞に発現させたところ、どの遺伝子もS1P放出活性を示さなかった。S1P-biotinに対し特異的に結合したタンパク質が微量であり、質量分析により同定されなかった可能性があることから、ラベリング及び精製条件の検討やネガティブコントロールとの比較を厳密に行う必要があると考えられる。また、近年、S1P輸送体として同定されたSPNS2が、この光反応性S1P-biotinによってラベルされるかどうかも興味深い。SPNS2のS1P結合サイトが明らかになれば、SPNS2阻害剤のデザインも可能になると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

合成した光反応性S1P-biotinを用いて赤血球反転膜のタンパク質をラベリングし、アビジンビーズにより精製した。質量分析により精製されたタンパク質を同定し、S1P輸送能を解析したが、S1P輸送担体の同定には至っていないことから。

今後の研究の推進方策

S1P-biotinに対し特異的に結合したタンパク質が微量であり、質量分析により同定されなかった可能性があることから、ラベリング及び精製条件の検討やネガティブコントロールとの比較を厳密に行う予定である。また、近年、S1P輸送体として同定されたSPNS2が、この光反応性S1P-biotinによってラベルされるかどうかも調べる。 今後は、インタクトの赤血球・血小板においても、このS1Pアナログが細胞外へ放出されるかどうかを検証し、アフィニティーラベリングを行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

S1Pアナログ、光架橋剤、SDS-PAGE等の生化学的実験用の試薬、プラスチック器具、実験動物などの消耗品、学会発表に関わる経費や論文投稿のための経費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Characterization of the ATP-dependent sphingosine 1-phosphate (S1P) transporter in rat erythrocytes2011

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, N., Kobayashi, N., Adachi, H., Yamaguchi, A. and Nishi, T.
    • 学会等名
      The 30th Naito Conference on Membrane Dynamics and Lipid Biology [II], Domains, Droplets and Diseases
    • 発表場所
      CHATERAISE Gateaux Kingdom SAPPORO (Hokkaido)
    • 年月日
      June 30, 2011

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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