研究課題/領域番号 |
23790095
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研究機関 | 千葉科学大学 |
研究代表者 |
金子 雅幸 千葉科学大学, 薬学部, 准教授 (10322827)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 小胞体ストレス / ERAD / アルツハイマー病 / 酸化ストレス / 不溶化 / タウ / アミロイドβ / 凝集体 |
研究概要 |
私たちはこれまで、アルツハイマー病発症に関わるAβの前駆体タンパク質APPが、ERADに関与するユビキチンリガーゼHRD1の基質となることを明らかにした。また、アルツハイマー病患者の大脳皮質において、HRD1のタンパク質が不溶化により減少していることを見出した。今回私たちは、HRD1の不溶化機構について明らかにするため、アルツハイマー病と関連があるAβ、tau、小胞体ストレス、および酸化ストレスによるHRD1の不溶化の可能性について検討を行った。その結果、HRD1およびHRD1と複合体を形成するSEL1Lは、Aβ、tauおよび小胞体ストレスの負荷によっては不溶化しないことが、神経細胞およびマウスを用いた実験によって明らかとなった。一方、酸化ストレスである過酸化水素、ロテノン、4-ヒドロキシノネナールは、HRD1およびSEL1Lの不溶化を引き起こすことが判明した。さらに、これらの酸化ストレス薬物は、HRD1の細胞内凝集体(アグリソーム)の形成を誘導することが示された。したがって、HRD1やSEL1Lは酸化ストレスによって、小胞体から排出され、凝集体を形成して不溶化する可能性が示唆された。 一方、HRD1はアルツハイマー病患者脳およびtauトランスジェニックマウス脳において、リン酸化tauと局在が一致することが判明した。また、HRD1がtauを基質とすることが、最近の報告で明らかになったとことから、HRD1とtauの関連性が示唆される。今後は、HRD1ノックアウトマウスを用いて、HRD1低下によるtauの蓄積について検討を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
アルツハイマー病モデルマウスにおけるHRD1不溶化の検証や酸化ストレスによるHRD1不溶化機構など、次年度以降で行う実験が既に終了しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、HRD1が酸化ストレスによってどのように不溶化するか、不溶化機構の詳細の解明を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の予定より研究は進展しているが、消耗品に関しては元々低めに見積もっており、余剰のものはないと考える。そのため、従来通りの予算で研究を行いたい。
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