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2013 年度 実績報告書

細胞内脂肪滴の生理機能:ステロイドホルモン産生を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 23790098
研究機関昭和大学

研究代表者

山口 智広  昭和大学, 薬学部, 准教授 (50347530)

キーワード細胞生物学 / 脂肪滴 / 脂質代謝
研究概要

細胞内脂肪滴は生体の脂質ホメオスタシスに主要な役割を果たす細胞小器官である。他の細胞小器官とは異なり、中性脂肪がリン脂質一重膜によって覆われた構造を持つ。脂肪滴の表面には多数のタンパク質が存在しており、脂肪滴の機能を制御している。従来、脂肪滴タンパクの機能解析はマウス由来の3T3-L1脂肪細胞を中心に進んできた。一方、他の細胞の脂肪滴の機能については不明な点が多く、本課題では主にステロイド産生細胞や好中球の脂肪滴について解析を進めてきた。これまでに、ステロイドホルモン産生細胞であるMLTC-1細胞において、黄体形成ホルモンによりステロイド産生刺激を与えると、脂肪滴の形態が変化し、脂肪滴タンパクの一部が小胞体に移行することを見出した。
本年度は研究計画に基づき、ヒト好中球(HL-60)およびヒト間葉系幹細胞(hMSC)由来脂肪細胞の脂肪滴の解析を行った。好中球の脂肪滴には主にPerilipinファミリーの1つであるPerililin-3が局在していた。siRNAによりPerilipin-3を発現抑制したところ、プロスタグランジンE2(PGE2)合成酵素が減少し、それに伴い好中球からのPGE2分泌が低下した。よって好中球の機能に脂肪滴タンパクであるPerilipin-3が主要な役割を果たすことが明らかとなった。また、hMSC由来の脂肪細胞に関して、LC-MS/MSにより脂肪滴タンパクのプロテオミクス解析を行った。hMSC脂肪細胞は3T3-L1脂肪細胞と同様の局在タンパクを有していたが、hMSC においては3T3-L1で観察されるような、カテコールアミン刺激による脂肪滴の形態変化は認められなかった。ヒトMSC由来の脂肪細胞ではマウス由来の細胞とは異なる脂肪分解機構を有していることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Crucial role of perilipin-3 (TIP47) in formation of lipid droplets and PGE2 production in HL-60-derived neutrophils.2013

    • 著者名/発表者名
      Nose F, Yamaguchi T, Kato R, Aiuchi T, Obama T, Hara S, Yamamoto M, Itabe H.
    • 雑誌名

      PLoS One.

      巻: 8 ページ: e71542

    • DOI

      doi: 10.1371/journal.pone.0071542.

    • 査読あり
  • [学会発表] Perilipin-3/TIP47はHL-60由来好中球における脂肪滴の形成とプロスタグランジンE2の産生に関与する2013

    • 著者名/発表者名
      野瀬冬樹、○山口智広、相内敏弘、小浜孝士、加藤里奈、山本松男、板部洋之
    • 学会等名
      日本生化学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      20130911-20130913
  • [学会発表] HL-60好中球においてPerilipin-3/TIP47は脂肪滴形成とプロスタグランジンE2産生に関与する2013

    • 著者名/発表者名
      野瀬冬樹、○山口智広、相内敏弘、小浜孝士、加藤里奈、山本松男、板部洋之
    • 学会等名
      脂質生化学会
    • 発表場所
      ホテル松島大観荘(宮城県宮城郡)
    • 年月日
      20130606-20130607

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公開日: 2015-05-28  

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