平成25年度、本研究において、糖尿病患者バイパス血管の長期開存を目指したRho/Rhoキナーゼ阻害薬の有用性について以下の点を明らかにした。 1. Rho/Rhoキナーゼ阻害薬(塩酸ファスジル)は、ヒトバイパス血管(大伏在静脈)におけるトロンビンの血管収縮反応を有意に抑制した。 2. Rho/Rhoキナーゼ阻害薬(塩酸ファスジル)は、ヒトバイパス血管(大伏在静脈)におけるADPの血管収縮反応を有意に抑制した。 3. Rho/Rhoキナーゼ阻害薬(Y27632)は、ヒトバイパス血管(大伏在静脈)におけるトロンボキサンA2アナログであるU46619の血管収縮反応に対しては、抑制効果を示さなかった。 本年度の研究結果より、Rho/Rhoキナーゼ阻害薬は、ヒトバイパス血管におけるトロンビンおよびADPの収縮反応に対し有意な抑制効果を示すが、トロンボキサンA2アナログであるU46619に対する収縮反応に対しては抑制効果を示さないことが明らかとなった。
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