研究課題
[目的]ペントースリン酸経路は、グルコース6-リン酸をグルコノラクトン6-リン酸、グルコン酸6-リン酸を経て、グリセルアルデヒド3-リン酸に代謝し、NADPHおよび核酸原料の供給を担う。細菌類では、グルコースからグルコノラクトン、グルコン酸を経て、グルコン酸6-リン酸に至る副経路が知られている。しかし、動物において副経路が存在するかどうかは不明である。そこで、ヒトおよびマウスにおいてグルコン酸をグルコン酸6-リン酸にリン酸化するグルコン酸キナーゼの同定を試みた。[方法・結果]NCBIのBLAST検索の結果、細菌Pseudomonas putida KT2440におけるグルコン酸キナーゼ遺伝子のアミノ酸配列は、ヒトおよびマウスにおける候補遺伝子(GenBank accession no.NM_001001551およびNM_198004)のアミノ酸配列とそれぞれ70%および69%の相同性を示した。候補遺伝子は、ヒトおよびマウスの肝臓からmRNAを抽出後、cDNAライブラリーよりクローニングした。N末端に6×Hisを融合した組換えタンパク質は、候補遺伝子をpColdIIベクターに組換えて大腸菌に形質転換した後、15℃で24時間培養して大量発現させた。可溶性分画に発現が認められたので、Ni-NTA agaroseカラムおよびDEAE-Sephacelカラムを用いて純度95%以上に精製した。精製したヒトおよびマウスの6×His融合組換えタンパク質は、グルコン酸キナーゼ活性が認められた。[結論]動物におけるペントースリン酸副経路の存在が示唆された。
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