研究課題
若手研究(B)
本研究では、アルツハイマー病(AD)の新しい治療方策として、抗炎症性の神経保護型ミクログリア(2型MG)を積極的に活用する戦略と、これを実現する薬物シーズの開発を行った。特に、T細胞系においてIL-4を誘導することが知られる合成レチノイドに注目した。(1)ある種のレチノイド類をADモデルのAPP23マウスへ経口投与すると、vehicle群と比較しレチノイド投与群において、脳内不溶性画分のAβペプチド量が有意に減少し、空間認知障害が有意に改善された。(2)レチノイド投与により、APP23マウスの大脳皮質のIL-4量は変動しなかったが、海馬IL-4量は増加傾向にあった。また、vehicle群とは対照的に、レチノイド投与群において、海馬IL-4量と空間記憶保持力とは有意な正の相関を示した。(3) in vitroにおいて、レチノイド添加はミクログリア細胞のIL-4受容体αの発現を増大させた。本研究成果は、レイノイドによるAD治療戦略に新たな手がかりを与えるものと考える。
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Biol. Pharm. Bull.
巻: 35 ページ: 1206-1212
Neuroscience
巻: 207 ページ: 243-260
http://hdl.handle.net/2298/26643