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2012 年度 実績報告書

亜鉛に応答した遺伝子発現変化に対するエピジェネティック制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 23790163
研究機関摂南大学

研究代表者

木村 朋紀  摂南大学, 薬学部, 講師 (70340859)

キーワード遺伝子発現調節 / MTF-1 / 亜鉛 / メタロチオネイン
研究概要

本研究課題では、亜鉛に応答した遺伝子発現について、エピジェネティックな制御機構の存在を明示するとともに、その機序を解明することを目的とした。エピジェネティックな影響を与える環境要因・条件を見出すため、エピジェネティックに定常的なメタロチオネイン-I (MT-I)遺伝子発現が抑制され、なおかつ、亜鉛によるMT-I誘導が認められないリンパ肉腫細胞株P1798細胞を用いた解析を行った。その結果、1月間の亜鉛処理ではMT-I誘導能を変化しなかったが、1週間のカドミウム処理がMT-I発現を増加する傾向が観察された。これは、環境要因によってMT発現がエピジェネティックな影響を受けてその発現が変化する可能性を示すものである。次に、亜鉛処理に応答して遺伝子プロモーターのクロマチン構造が変化するという現象が重金属応答性転写因子MTF-1によって発現制御を受けている遺伝子に共通の現象なのかを明らかにするための解析を行った。その結果、解析を行った遺伝子プロモーター全てで亜鉛に応答したクロマチン構造変化が観察され、本現象がMTF-1支配遺伝子に共通したものであることを示唆した。更に、この現象に関与する因子を明らかにするため、クロマチンリモデリングファクター、Brg1およびBrmのノックダウンを行い、mRNAレベルで20%以下に減少させたところ、MT-I遺伝子発現に影響は認められなかった。これら因子を欠失している細胞株SW13細胞に、これらを強制発現した解析においても、これらリモデリングファクターは亜鉛に応答した発現誘導には影響を与えないことが明らかとなった。以上の通り、本研究課題により亜鉛に応答して遺伝子プロモーターの構造が変化するという現象は、MTF-1支配遺伝子に共通であり、これに関わる因子はBrg1やBrm以外の因子であることを明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (7件)

  • [学会発表] 重金属応答性転写因子MTF-1の標的遺伝子における亜鉛によるクロマチン構造変化2013

    • 著者名/発表者名
      保坂卓臣、藤森廣幸、木村朋紀
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130327-20130330
  • [学会発表] メタロチオネイン-I遺伝子の転写におけるクロマチンリモデリングファクターSnf2Hの役割2012

    • 著者名/発表者名
      射手園雄一、保坂卓臣、岡田和也、木村朋紀、藤森廣幸、磯部正和
    • 学会等名
      フォーラム2012:衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20121025-20121026
  • [学会発表] メタロチオネイン-I遺伝子プロモーター領域のクロマチン構造と転写活性2012

    • 著者名/発表者名
      田中亨、古田雄三、保坂卓臣、木村朋紀、藤森廣幸、磯部正和
    • 学会等名
      フォーラム2012:衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20121025-20121026
  • [学会発表] 重金属によるメタロチオネイン遺伝子の転写制御2012

    • 著者名/発表者名
      木村朋紀
    • 学会等名
      第39回日本毒性学会学術年会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20120717-20120720
  • [学会発表] 亜鉛によるメタロチオネイン遺伝子発現におけるクロマチン構造変化とその意義2012

    • 著者名/発表者名
      保坂卓臣、木村朋紀、古田雄三、藤森廣幸、磯部正和
    • 学会等名
      第39回日本毒性学会学術年会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20120717-20120720
  • [学会発表] Transcriptional activation enhanced by the change in chromatin structure of mouse metallothionein-I promoter2012

    • 著者名/発表者名
      保坂卓臣、木村朋紀、古田雄三、藤森廣幸、磯部正和
    • 学会等名
      第6回アジア毒性学会学術集会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20120717-20120720
  • [学会発表] クロマチンリモデリングファクターBrm・Brg1欠損細胞におけるメタロチオネイン遺伝子発現2012

    • 著者名/発表者名
      岡田和也、保坂卓臣、射手園雄一、木村朋紀、藤森廣幸、磯部正和
    • 学会等名
      第62回日本薬学会近畿支部総会・大会
    • 発表場所
      武庫川女子大学
    • 年月日
      2012-10-20

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公開日: 2014-07-24  

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