研究課題
エルロチニブは、上皮増殖因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor: EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬で、非小細胞肺がん患者における有効性が示されている。エルロチニブは、ゲフィチニブ治療後に増悪した症例にも有効性を示す報告がありがん分子標的薬として高く評価されているが、薬剤耐性が治療の大きな障害となっていることも事実である。本研究では、エルロチニブの耐性機序を解明し、耐性克服薬剤を開発することを目的として研究を行った。Vaultは、100kDaのMVP/LRP (Major Vault Protein/Lung Resistance Protein)のほかに、240kDa(p240)、193kDa(p193)の蛋白質と1種類のvault RNA (vRNA)から構成されており、エルロチニブ耐性との関与が示されている。今回、Major Vault Protein の発現解析を実施した。MVPのプロモーター領域には、Y-box、Myo D, GATA, E-box, Sp-1, p53およびSTATの7つの転写因子結合モチーフが確認されており、MVPのプロモーターをルシフェラーゼ遺伝子の5’上流に挿入したベクターを用いて、細胞にトランスフェクトし、ルシフェラーゼアッセイを行った。その結果、E-box がMVPの発現に重要であることが判明した。また、E-boxに結合する転写因子としてupstream stimulating factor(USF)-1を同定した。今後、MVPやUSF-1を標的とする分子標的薬の開発を実施する予定である。
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