本研究では、1)リポカリン2はステロイド化合物との結合能を有すること、2)リポカリン2の生理的役割は、細胞内または細胞外の遊離ステロイド濃度を調節し、ステロイドの生理的作用および薬効発現に寄与しているとの仮説を検証することを目的とした。2)に関して、結合能を評価するために、Biacore を用いてステロイド-リポカリン 2 相互作用評価系を構築した。その結果、リポカリン2はデキサメタゾンに対して用量依存的に結合したが、プレドニゾロンに対しする結合は認められなかった。このことから、リポカリン2は特定のステロイド化合物と結合する可能性が考えられた。2)については、今後の課題として検討を進めていきたい。
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