研究課題
Poly(ADP-ribose) polymerase1 (Parp1)は、タンパク質翻訳後修飾であるポリADPリボシル化を触媒する核内タンパク質であり、虚血再灌流障害の誘導において重要な役割を果たしている。申請者は、癌抑制遺伝子p53のタンパクレベル制御に重要なMdm2ユビキチンリガーゼの阻害剤Nutlin-3aが、p53及びプロテアソーム依存的なParp1分解を誘導することを見出した。本課題は、当該事象が虚血再灌流障害治療に応用できるかを科学的に立証していくために計画した。平成23年度は細胞系を用いたMdm2阻害剤誘導性Parp1分解の基本メカニズムの解明を目指し、研究を行った。その結果、p53を誘導できるようなcis-imidazoline骨格を有するNutlin-3aアナログがParp1分解を誘導できることが判明した。平成24年度は、動物レベルでの影響を確認することを目的とし、長崎大学医学部との共同研究で、Nutlin-3a投与マウスの主要臓器におけるp53及びParp1タンパク質レベルへの影響を各臓器ライセートを用いて評価した。その結果、各種投与条件において、明確なp53の活性化は肺においてのみ確認された。その一方でParp1タンパク質レベルに明確な変動は認められなかった。これまでの研究結果より、Nutlin-3a誘導性のParp1タンパク質レベルの減少効果は、細胞特異性があることが示唆されていたことから、今後は臓器ライセート解析ではなく、組織染色等を用いて解析していく必要がある。現在脳虚血再灌流モデルも作成中であり、今後臨床応用に向けて更なる研究の伸展が期待される。
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