研究概要 |
ラット出生日齢に伴うモリブデン(Mo)含有薬物酵素 (xanthine oxidase (XO) およびaldehyde oxidase (AO))の活性変動を検討した。生後0,1,2,3,4,5,6週齢のラットを屠殺後、肝を摘出し、Cytosol画分を作成した。その後、Cytosol画分中のXO活性及びAO活性を測定した。なお、XO活性は、1-methylxanthineの酸化活性にて、AO活性は、N1-methynicotinamideおよびphenanthridineの酸化活性にて評価した。出生後の新生仔に関して検討を行った結果、XOおよびAO活性は生後日数に伴いその活性の上昇が認められ、4週齢にて成獣と同等の活性を示した。発育に伴うMo含有代謝酵素活性変動モデルを作成するため、Mo含有酵素の活性変動因子であるタンパク構造変化およびMo cofactor の生合成に関与するGephyrin (GEPH)やMo Cofactor Synthesis (MOCS) proteinの発現量変化を検討した。発育に伴うMonomer体/Dimer体の発現比は、一定であった。タンパク構造の変動が活性に影響を与えていないと考えられる。一方、Mo cofactor の生合成に関与する因子に関しては、生後0週齢よりGEPHタンパクの発現を認め、発育に伴い、その発現量が増加した。同様に、MOCSにおいても生後0週齢よりタンパク発現を認め、発育に伴い発現量が増大した。さらに、AOおよびXO活性の間に良好な相関が認められた。AOおよびXO活性は、そのタンパク発現量に加え、MOCSやGEPHなどのMo Cofactor生成系によっても制御されている可能性が示唆された。
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