研究概要 |
Allopurinolは小児薬物領域において、抗腫瘍剤投与による高尿酸血症治療に汎用されている。このallopurinolはxanthine oxidase (XO)およびaldehyde oxidase (AO)により、強力なXO阻害活性をもつoxypurinolへと酸化代謝される。Allopurinol酸化代謝に及ぼす発育の影響をin vitroにて検討した。 発育に伴うAOおよびXO活性変動を検討した。3週齢ラットのAO活性は成獣の47.8%、XO活性は23.5%であった。 成獣に対する3週齢ラットのallopurinol酸化代謝活性は、およそ22.0% (3週齢: 2059 nM/60 min, 6週齢: 9199 nM/ 60 min)であった(添加したallopurinol濃度: 62.5 μM)。その際、薬理効果の指標であるratio of xanthine (RX値): xanthine/(xanthine+hypoxanthine)は、3週齢において0.76、6週齢 0.56であった。代謝物であるoxypurinol増加に伴い、XO活性の低下が認められた。 次に、XO特異的阻害剤であるfebuxostat、AO特異的阻害剤であるraloxifeneを用いて、allopurinol酸化活性(% of control)におけるAO寄与度を検討した。3週齢におけるAO寄与度は18.0%、6週齢は80.7%であった。Allopurinol代謝におけるAOの寄与度は、発育に伴い、大きく異なることが示された。 一方、RX値は3、6週齢ともにAO活性阻害時と非阻害時との間に差は認められなかった。この要因として、検討を行ったoxypurinol産生はそのXOに対するKi(50 nM)よりも高値であったためと考えられる。今後、臨床濃度での検討が必要と考えられる。
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