様々な中枢神経系疾患において、アストロサイトの活性化が起こることが知られているが、その役割は未だ明らかとなっていない。本研究では中枢神経系においてアストロサイト特異的に発現する分子Ndrg2に注目し、アストロサイトの活性化の病態への関与と分子メカニズムの解明を目標とした。Ndrg2欠損マウスの脳損傷モデルにおける解析から、Ndrg2がIL6-STAT3経路を介してアストロサイト活性化を調節し、脳内の炎症細胞の集積や神経細胞死の調節に関与することを明らかにした。以上の結果より、Ndrg2の機能解析が脳内炎症を伴う中枢神経系疾患の分子メカニズム解明につながると考えられる。
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