研究課題/領域番号 |
23790227
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山田 浩平 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (50588879)
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キーワード | stathmin1 / 神経発生 / 脳形成 / 細胞骨格 / 周産期 / リン酸化 |
研究概要 |
平成24年度研究代表者は研究実施計画に基づき、1. stathmin1リン酸化カスケードの同定とその細胞内局在の検討、2. PC12を用いてstathmin1のリン酸化シグナルの同定とその細胞内局在の検討、3. リン酸化stathmin1と相互作用している因子の同定4. MEFのiN化時のstathmin1の発現量の検討を行った。 1. 培養日数3日目時点でのリン酸化stathmin1の細胞内局在をリン酸化抗体を用いた免疫染色で検討した。その結果、リン酸化stathmin1は主に突起の各所に集積するような形で局在していた。 2. NGFに加え、PACAPも用い、刺激濃度や時間依存的なstatthmin1のリン酸化変動を検討した。NGF刺激(1、10、50、100 ng/ml)によるstathmin1のリン酸化はSer16、25、38、63全てにおいて惹起された。PACAP刺激(10、100、200、500 nM)では16、25、63Serのみでリン酸化が観察され、予想に反しNGFの結果とは異なる結果が得られた。経時的な変化では50 ng/ml NGF刺激、100 nM PACAP刺激ともに10-30 min後にリン酸化のピークがみられた。NGF刺激後30 minにおけるリン酸化stathmin1の細胞内局在を免疫染色にて検討した結果、リン酸化stathmin1は核周囲に発現量が高く、また突起先端部でのシグナルの集積が観察された。 3. リン酸化stathmin1と相互作用している因子を探索するため、stathmin1 constitutive active体、negative体を作成した。 4. エレクトロポレーション法を用いた強制発現方法では導入細胞数が少ないことが判明したため、平成24年度中頃より、ウィルスベクターの作成を開始し現在作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要にも掲げたように研究代表者は研究目的達成のため今年度の研究計画として、1. 神経におけるstathmin1リン酸化カスケードの同定とその細胞内局在の検討、2. 神経系培養細胞PC12を用いてstathmin1のリン酸化シグナルの同定とその細胞内局在の検討、3. リン酸化stathmin1と相互作用している因子の同定、4. MEFのiN化時でのstathmin1の発現量の検討を掲げた。2、3に関しては当初の予定通り進んだ。また1に関しては細胞内局在の検討のみ行った。4に関してはMEFへの遺伝子導入方法の探索にだいぶ時間を取られてしまった結果、計画通りに進めることはできなかった。以上から、完全に研究計画通りに進んでいるわけではないが、おおむね今年度研究計画の80%程度を終えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究計画はおおむね80%の達成となってしまった。次年度ではまず前年度の遅れを取り戻すよう努める。平成25年度は本研究計画最終年度であるので23-24年度の結果を受け研究計画の達成を目指し、本研究計画より成果を上げるよう努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度は研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、今年度においては計画通りに研究費を執行することができた。次年度も同様に研究計画に変更は無く、当初予定通りの計画を進めていく。
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