研究課題
平成25年度、研究代表者は研究実施計画に基づき、stathmin1のリン酸化カスケードの同定と生理機能解析を行った。我々は平成23年度に初代培養神経を用いた検討で、K252aがstathmin1のリン酸化を阻害することを明らかにしている。そこで初代培養神経培養7日目にNGF、BDNF、PACAP刺激を行い、stathmin1がリン酸化するかどうかを検討した。その結果、BDNF添加時でstathmin1が強くリン酸化を受けることを明らかとした。また、BDNFの効果はK252aの添加により抑制された。さらに、stathmin1リン酸化カスケードの詳細を検討するため、MEK1/2の阻害剤であるU0126を用いた検討も行った。結果、U0126を添加することでもstathmin1のリン酸化は抑制を受けることを明らかとした。前年度に作成したstathmin1のリン酸化部位全てのSerをAspに置換したconstitutive active体(CA体)をPC12培養細胞にトランスフェクションすることで、リン酸化stathmin1の生理機能を検討した。SerをGlyに置換したconstitutive negative体(CN体)はネガティブコントロールとして用い同様の検討を行った。その結果、CA体を強制発現させたPC12において、神経様突起の伸展、さらには突起上に細かいフィロポディア様の構造物がいくつも観察された。これらはCN体の強制発現では観察されなかった。CA体は細胞質だけでなく、突起先端部でも集積が見られた。そこで次に、内在性のstathmin1がリン酸化した時も同様に、PC12の突起先端部で観察されるかどうかを検討した。Stathmin1のリン酸化部位の各抗体を用い、PC12にNGF添加後30分後のリン酸化stathmin1の局在を検討した。その結果、すべての抗体で突起内にリン酸化stathmin1が存在することを明らかとした。
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