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2011 年度 実施状況報告書

心臓形態形成における選択的細胞分化誘導とそれに関わる不均一シグナル伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23790232
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

坂部 正英  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00525983)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード心臓発生 / 心内膜床 / Notch情報伝達系 / 心内膜床培養モデル
研究概要

心臓発生過程で形成される『心内膜床』は成熟心臓の中隔や弁の原基であり、心臓形態形成に必須の組織である。我々は、心内膜床形成には心臓内皮細胞における選択的かつ不均一な細胞分化誘導メカニズムが必要で、そのメカニズムにNotch情報伝達系が関与していると考えている。 本年度に実施した研究により、我々は、Notch細胞内領域(NICD)を認識する抗体を用いた免疫染色、およびNotch活性をモニタリングすることができるトランスジェニックマウスを用いて心内膜床形成過程におけるNotchシグナル活性の可視化に成功した。この解析系により、心内膜床領域の内皮細胞ではNotchシグナルが『ON』の細胞と『OFF』の細胞が混在し、不均一なシグナル伝達に制御される細胞集団であることを見出した。現在は、Notch活性レポーターマウス胚から得られた房室管領域をコラーゲンゲル上に培養する3次元器官培養モデルにより、心内膜床形成過程におけるNotchシグナル活性のライブイメージング解析を試みており、コラーゲンゲル上に広がった房室管内皮細胞においても不均一なNotchシグナル伝達であることを確認している。また、平成24年度に実施予定のChIP(クロマチン免疫沈降)シークエンス解析によるNotch下流遺伝子の網羅的な解析を円滑に行うために、NICD抗体を用いたChIP法の条件検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度に予定していた心内膜床形成過程におけるNotchシグナルのイメージング解析においては、NICD抗体の入手・免疫染色の条件検討、およびNotchレポーターマウスの解析を含めて、おおむね順調に進展している。また、心内膜床形成過程におけるNotchシグナル活性のライブイメージング解析においては、培養内皮細胞上でレポーター因子の発現を観察することはできたが、in vivoでの発現パターンを完全に模倣することができていないことから、さらなる条件検討が必要であると考えられる。活性型Notchを組織特異的に発現するトランスジェニックマウスの作製については現在検討中であるが、進行が遅れる見込みになる場合は、他機関からの導入を考えている。

今後の研究の推進方策

Notchシグナル活性のイメージング解析を行う手法の確立についてはおおむね順調に進んでいる。したがって、今後は、この解析系を用いて不均一なNotchシグナルの重要性を検討していく。また、前述のように組織特異的にNotchを過剰発現させるトランスジェニックの作製が遅れる場合は、同等の作用をもつトランスジェニックマウスを他機関から導入することを検討する。今後の研究のテーマは主に次世代シークエンサーとNICD抗体を用いたChIP-シークエンス解析へと移行する。そのための準備としてクロスリンカーやChIPの条件検討を早急に行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

上述のように、次年度の主な研究計画は次世代シークエンサーを用いた解析となる。この解析は外部委託を考えているため、相当の研究費をこの解析に使用する予定である。また、実験動物の購入、および実験用試薬・消耗品の購入にかかる費用は、当初の計画道理に使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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