研究課題
カテプシンD欠損(CD-/-) マウス脳で増加しているリソソームタンパク分解酵素を探索した結果、リソゾームのシステインプロテアーゼであるカテプシンCが著明に増加することが分かった。同酵素は健常脳でほとんど存在しないとされて居たが、正常マウス脳における同酵素の分布を免疫組織化学により詳細に検討したところ、副嗅球、中隔、海馬の一部(CA2、fasciola cinereum、 indusium griseum、tenia tecta、一部の介在ニューロン)、大脳皮質の一部(前帯状皮質や運動皮質)の第五層、下丘のニューロンで顆粒状の強い陽性反応が認められた。ニューロンの他には脈絡叢細胞で陽性反応が認められた。正常マウスで二豎染色を行なった結果、ミクログリア、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、上衣細胞では陰性であった。カテプシンD欠損マウス脳や、低酸素脳虚血負荷後の傷害側の脳組織ではカテプシンCの免疫反応性が著明に増大していた。特にカテプシンD欠損マウス脳では健常マウス脳組織由来のサンプルで検出できなかったカテプシンC陽性のシグナルがウエスタンブロットに寄っても確認され、活性も増加していた。二重染色の結果活性型ミクログリアがカテプシンCを発現していることが分かった。一般にリソゾームカテプシンの発現は加齢に伴い上昇することが知られている。そこで、25ヶ月齢の老齢マウス脳組織における同酵素の分布を検討したところ、8週齡では見られなかった感覚皮質の第五層の錐体細胞が陽性であったが、各種グリア細胞では陰性で、その発現上昇は限定的であった。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (14件) 図書 (1件)
Eur. J. Neurosci.
巻: 37(5) ページ: 816-20
PLoS One
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
FEBS letters
pii: S0014-5793(13)00192-0. 10.1016/j.febslet.2013.02.046
巻: 8 ページ: e59148
10.1371/journal.pone.0059148
Eur J Cell Biol.
巻: 92 ページ: 30-43
10.1016/j.ejcb.2012.10.002
Sci. Signal
巻: 5 ページ: ra93
10.1126/scisignal.2003558
J. Biol. Chem.
巻: 109 ページ: 42984-94
10.1074/jbc.M112.417600.
Mol Brain
巻: 5 ページ: 35
10.1186/1756-6606-5-35
Autophagy
巻: 8 ページ: 445-544
Proc. Natl. Acad. Sci. USA
巻: 109 ページ: 17693-8
10.1073/pnas.1212786109
巻: 287 ページ: 34635-45
10.1074/jbc.M112.357509
生体の科学
巻: 63 ページ: 404-5