研究課題
申請者の研究目的は、1) 起立性低血圧における前庭系と圧受容器反射の相互作用解明、2) 飲水における昇圧反射(飲水―昇圧反射)のメカニズム解明、3) ヒトの起立性低血圧に対する飲水―昇圧反射の有用性確認、という3点である。平成23年度には1)および3)について、平成24年度には2)について国際誌にて報告した。また、平成25年度には、圧受容器を破壊した食塩感受性高血圧発症ラットにおける飲水中の不整脈発症および脳障害についての研究成果を国際誌にて報告した。圧受容器を破壊した食塩感受性高血圧ラットでは、飲水中の急激な昇圧応答により、心室の機械受容器が刺激されて徐脈性の不整脈が生じた。また、不整脈が生じている間には期外収縮も見られ、これらの応答はアトロピンの投与により完全に消失した。このことから、飲水中の迷走神経活動亢進が、不整脈や期外収縮を引き起こしていることがわかった。さらに、飲水中に繰り返しておこる昇圧応答によって、脳脊髄液中のTNF-αの濃度増加や第3および第4脳室周囲でミクログリアの集積が見られた。このことから、飲水中の昇圧応答は脳障害を引き起こすことがわかった。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 1件)
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