今後の研究の推進方策 |
1.腎結石を有するウシ蛙において,CLC-5の発現量,細胞質及び管腔内液のカルシウムイオン濃度やpHを調べ,腎結石を有さない食用蛙と比較検討する.塩化物イオンチャネル阻害剤(NPPB,DIDS等)を投与し,腎結石発症への影響を調べる.また,同阻害剤投与下で二酸化炭素負荷による細胞質や酸性小胞内のpH変化を検討する.酸性小胞内への水素イオン輸送については,cAMPを介するAキナーゼ系のシグナル伝達経路の関与が示唆されていることから(Fujimoto et.al., Jpn J Phyisiol, 1988),cAMP濃度の変化による細胞質や酸性小胞内のpH変化も検討する.2.CLC-5のノックアウトマウスに必ずしも腎結石が存在するわけではないことが報告されていることから,CLC-5の調節蛋白が存在しその異常によって腎結石が生じる可能性もある.どのような蛋白が増加しているのかmRNAの発現状態を測定し,調節蛋白を見つけることも予定している.
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