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2012 年度 実績報告書

カルシウムオシレーション非依存的破骨細胞分化を担う分子群の探索と同定

研究課題

研究課題/領域番号 23790265
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

黒田 有希子  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70455343)

キーワードシグナル伝達 / 分化 / 破骨細胞 / リン酸化 / イノシトール3リン酸受容体 / NFATc1 / Cot kinase
研究概要

本研究はカルシウムオシレーション非依存的な破骨細胞分化シグナルの中心として働く分子を探索・同定することを目標とし、カルシウムオシレーション依存的破骨細胞分化メカニズムが阻害されているイノシトール3リン酸受容体ノックアウトマウス(IP3RKOマウス)を用いて破骨細胞分化誘導因子のスクリーニングを行なった。
本研究期間内では、骨芽細胞培養株であるST2細胞の膜画分とIP3RKO細胞を用いた実験結果から、カルシウムオシレーション非依存的な破骨細胞分化を誘導する分子は骨芽細胞の膜画分に存在すること、カルシウムオシレーション非依存的な破骨細胞分化シグナルが活性化するためには骨芽細胞と破骨細胞が直接接触することが重要であることが明らかとなった。
また、骨芽細胞からのシグナルを受け、破骨細胞分化を促進する破骨細胞内因子としてCot kinaseに注目し、その役割を調べた。申請者はCot kinaseノックアウトマウスの骨形態計測を行なった結果、Cot kinaseが生体内における破骨細胞分化に関与していることを明らかにした。さらに、破骨細胞内のCot kinaseが骨芽細胞との接触により活性化され、破骨細胞分化のマスター分子であるNFATc1を直接リン酸化すること、そのリン酸化によってNFATc1タンパク質の安定性が増すことを明らかにした(Kuroda Y. et al. Mol Cell Biol. 2012 Jul;32(14):2954-63.)。
これらの結果はCot kinaseがカルシウム非依存的にNFATc1を活性化する分子機構の一端を明らかにしたものであり、新たなNFATc1活性制御機構を発見した、という点で非常に興味深い知見といえる。また、生体内における破骨細胞分化制御機構の新たな分子機構を明らかにしたことは様々な骨疾患を正しく理解する上で重要な意義があると言える。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Regulation of osteoclasts by membrane-derived lipid mediators.2013

    • 著者名/発表者名
      Tsukasa Oikawa
    • 雑誌名

      Cell Mol Life Sci.

      巻: Epub ahead of print ページ: on line

    • DOI

      10.1007/s00018-012-1238-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cot kinase promotes Ca2+ oscillation/calcineurin-independent osteoclastogenesis by stabilizing NFATc1 protein.2012

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Kuroda
    • 雑誌名

      Mol Cell Biol.

      巻: 32 ページ: 2954-2963

    • DOI

      10.1128/MCB.05611-11.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Molecular mechanisms of triggering, amplifying and targeting RANK signaling in osteoclasts.2012

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Kuroda
    • 雑誌名

      World J Orthop.

      巻: 3 ページ: 167-174

    • DOI

      10.5312/wjo.v3.i11.167.

    • 査読あり
  • [学会発表] Cot kinase promotes Ca2+ oscillation/calcineurin-independent osteoclastogenesis by stabilizing NFATc1 protein2012

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Kuroda
    • 学会等名
      The American Society for Bone and Mineral Research
    • 発表場所
      Minneapolis, Minnesota USA
    • 年月日
      20121012-20121015
  • [学会発表] Ca2+ oscillation/Calcineurin 非依存的破骨細胞分化メカニズム ~Cot kinase によるリン酸化がNFATc1 のタンパク質安定化、発現量増加を誘導する2012

    • 著者名/発表者名
      黒田 有希子
    • 学会等名
      日本骨代謝学会学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120719-20120721

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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