妊娠終期の限られた期間内において胎仔は骨格系を獲得するが、その分子メカニズムは不明な点が多い。本研究では骨格形成のためのミネラル輸送に着目し、胎盤における母子間ミネラル輸送路の分子実体を探索した。その結果、その候補としてTRPM6 を同定した。TRPM6 はマウス母子間ミネラル輸送に重要とされる胎盤内卵黄嚢に多く存在し、胎仔骨の形成に合わせて発現が顕著に増加していた。さらにヒト胎盤上皮由来細胞においてTRPM6 様の活性が認められた。以上のことからTRPM6 は胎仔骨形成のための母子間ミネラル輸送に重要な役割を果たしていると考えられる。
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