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2012 年度 実績報告書

肝臓星細胞によるビタミンA恒常性維持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23790269
研究機関秋田大学

研究代表者

目崎 喜弘  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40431621)

キーワードビタミンA / ヤツメウナギ / レチノール / レチナール / 進化
研究概要

ウミヤツメのゲノム配列データベースをもとにカワヤツメ細胞質レチノール結合タンパク質(CRBP)のcDNAクローニングを行い、さまざまな脊椎動物のCRBP IおよびIIのアミノ酸配列と比較して系統樹を作成した。その結果CRBP IとCRBP IIはそれぞれ単系統群を形成し、カワヤツメCRBPは両単系統群の中間に位置することが明らかとなった。カワヤツメCRBPにHisタグを付加して大腸菌で大量発現し精製した。得られたタンパク質のレチノールおよびレチナールへの結合を調べたところ、カワヤツメCRBPはレチノールには強く結合するがレチナールにはほとんど結合しないことが明らかとなった。各種臓器におけるカワヤツメCRBP遺伝子の発現をノザンブロッティング法により解析したところ、全身、特に消化管で強い発現を示すことが明らかとなった。この発現パターンは全身、特に肝臓で強く発現している哺乳類CRBP Iの発現パターンとも、小腸特異的に発現している哺乳類CRBP IIの発現パターンとも異なり、両者の特徴を折衷したものであった。カワヤツメ成体は海でサケに取り付いてその血液を吸って生活している。血液中の主要なビタミンAはレチノールであるから、カワヤツメにとってのビタミンA源はレチニルエステルでもβカロテンでもなくレチノールである。カワヤツメが食餌から効率よくビタミンAを摂取するためにレチナールとの結合は必要なかったため進化の過程でレチナールとの結合性を失ったと考えられる。小腸におけるビタミンA吸収と肝臓におけるビタミンA貯蔵のバランスによって実現される血中ビタミンA恒常性維持機構は、脊椎動物進化の早い時期から発達してきたことが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 肝臓星細胞によるビタミンAの代謝・貯蔵メカニズムとその意義2013

    • 著者名/発表者名
      目崎喜弘
    • 雑誌名

      ビタミン

      巻: 87(1) ページ: 33-37

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ヤツメウナギ細胞質レチノール結合タンパク質のキャラクタリゼーション2012

    • 著者名/発表者名
      目崎喜弘
    • 雑誌名

      ビタミン

      巻: 86 ページ: 313-315

    • 査読あり
  • [学会発表] ヤツメウナギのビタミンA貯蔵に関与する細胞内レチノール結合タンパク質のリガンド認識機構の解明2013

    • 著者名/発表者名
      目崎喜弘
    • 学会等名
      日本解剖学会
    • 発表場所
      高松
    • 年月日
      20130328-20130330
  • [学会発表] 細胞内レチノール結合タンパク質のリガンド特異性を規定するアミノ酸残基の探索2012

    • 著者名/発表者名
      目崎喜弘
    • 学会等名
      日本レチノイド研究会
    • 発表場所
      米子
    • 年月日
      20121019-20121020
  • [学会発表] 肝臓星細胞によるビタミンA の代謝・貯蔵メカニズムとその意義2012

    • 著者名/発表者名
      目崎喜弘
    • 学会等名
      日本ビタミン学会
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      20120622-20120623
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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