研究課題
(1) 培養アストログリア細胞における炎症性サイトカインによるIFITM3の誘導培養アストログリア細胞においてPolyI:C処置により発現が誘導されたサイトカインであるIFN-β、IL-1βおよびTNF-αをアストログリア細胞に処置すると濃度依存的にIFITM3遺伝子の発現が増加した。これらの結果より、培養アストログリア細胞におけるIFITM3の遺伝子発現増加に炎症性サイトカインの関与が示唆された。(2)細胞内シグナル伝達分子に対する阻害剤を用いた解析PolyI:Cはtoll-like receptor 3 (TLR3), melanoma differentiation-associated gene 5 (MDA5) およびretinoic acid-inducible gene I (RIG-I) の3つの分子により認識され、転写因子であるNFκBおよびinterferon-regulatory factor 3 (IRF3)を介して、IFN-β、IL-1βおよびTNF-α等の遺伝子発現を誘導する事が知られている。そこで、PolyI:C 誘発性IFITM3の遺伝子発現増加に対するNFκB阻害剤helenalinおよびIRF3の上流に存在するTANK-binding kinase (TBK-1)の阻害剤BX795の効果について検討した。NFκBの阻害剤であるhelenalinを前処置してもPolyI:C 誘発性IFITM3の遺伝子発現増加は抑制されなかった。一方、TBK-1の阻害剤であるBX795の前処置によりPolyI:C 誘発性IFITM3の遺伝子発現増加は有意に抑制された。以上の結果より、PolyI:C により誘導されるIFITM3の遺伝子発現にはTBK-1からIRF3を介した経路が重要であることが示唆された。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Glia
巻: 61 ページ: 679-693
10.1002/glia.22461