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2011 年度 実施状況報告書

オートファジーによる糖尿病性心筋症の新たな治療メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23790307
研究機関武蔵野大学

研究代表者

宮田 茂雄  武蔵野大学, 薬学研究所, 助教 (40366836)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード2型糖尿病 / 心筋症
研究概要

Tsumura Suzuki Obese Diabetes (TSOD) マウスはddY系マウスのうち肥満と尿糖を呈する個体同士を交配することで近交系化された自然発症型2型糖尿病モデル動物である。我々は最近、TSODマウスの心機能について評価したが、予想に反して心機能の低下や心臓病理所見の異常は認められなかった (Kawada et al., Biol. Pharm. Bull., 33: 998-1003, 2010)。このことから、TSODマウスの心筋は糖尿病に対して抵抗性を示すと考えている。そこで本研究では、TSODマウスの心筋におけるオートファジー活性について解析し、TSODマウスの有する内因性の心筋保護機能におけるオートファジーの関与について評価した。その結果、TSODマウスの心筋組織ではオートファジー関連タンパクであるAtg12-Atg5結合体の発現量が、TSNOマウスに比べて明らかに増加していた。また、免疫組織学的染色法による解析の結果、TSODマウスの左心室壁ではオートファゴソーム膜タンパクであるLC3が心筋細胞の核周辺に多数集積しており、その多くはリソソーム膜タンパクであるLAMP-1と共発現していたが、TSNOマウスの心筋細胞ではLC3の集積はわずかであった。電子顕微鏡により微細構造を解析した結果、TSODマウスの左心室筋では多数のオートリソソームが確認された。これらのことから、TSODマウスの心筋ではオートファジー-リソソーム経路が活性化しており、糖尿病により心筋細胞内に蓄積した不完全タンパクなどを積極的に分解・除去するため、心筋細胞死に至らないと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、TSODマウスの心筋においてオートファジー活性が亢進していることが本研究によって明らかにされた。今後、その具体的な誘導メカニズムについて追究していく計画である。

今後の研究の推進方策

本研究によって得られたデータとこれまでの研究成果を精査してまとめ、学会発表および国際誌上で成果を発表する。

次年度の研究費の使用計画

研究を総括するための追加研究ならびに論文の作成に要する資料と消耗品の購入費用、英文校正費用および論文投稿料に使用する。また、論文が受理された際には、その別刷り購入費用としても使用する。また、学会にて成果報告するために、学会参加費、旅費および宿泊費に使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Tsumura Suzuki Obese Diabetesマウスおよびdb/dbマウスの心筋におけるオートファジー活性の評価2012

    • 著者名/発表者名
      宮田茂雄、八木美幸、仲澤幹雄、河田登美枝
    • 学会等名
      第85回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府左京区)
    • 年月日
      2012.3.15
  • [学会発表] AUTOPHAGY-MEDIATED CARDIOPROTECTIVE FUNCTION IN TSUMURA SUZUKI OBESE DIABETES MICE2011

    • 著者名/発表者名
      Shigeo Miyata, Mikio Nakazawa, Tomie Kawada
    • 学会等名
      第34回心筋代謝研究会
    • 発表場所
      キャノンホール(東京都港区)
    • 年月日
      2011.7.2
  • [学会発表] Tsumura Suzuki Obese Diabetesマウスの心機能保護機構におけるオートファジーの関与2011

    • 著者名/発表者名
      宮田茂雄、八木美幸、仲澤幹雄、河田登美枝
    • 学会等名
      第54回日本糖尿病学会年次集会
    • 発表場所
      札幌プリンスホテル国際館パミール(北海道札幌市)
    • 年月日
      2011.5.20
  • [学会発表] Tsumura Suzuki Obese Diabetesマウスにおけるオートファジーを介した心機能保護機構の解明2011

    • 著者名/発表者名
      八木 美幸, 宮田 茂雄, 仲澤 幹雄, 河田 登美枝
    • 学会等名
      第55回日本薬学会関東支部大会
    • 発表場所
      東邦大学習志野キャンパス(千葉県船橋市)
    • 年月日
      2011.10.8

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公開日: 2013-07-10  

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