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2013 年度 実績報告書

タウ蛋白の毒性を抑制するアルツハイマー病治療薬の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23790313
研究機関独立行政法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

添田 義行  独立行政法人国立長寿医療研究センター, 分子基盤研究部, 研究員 (10553836)

キーワードタウ凝集阻害剤
研究概要

本研究では、タウの毒性を改善する新規化合物を発見するための探索研究を行っており、平成24年度までに神経細胞死を抑制するタウ凝集阻害剤として、イソプロテレノール (ISO)を発見した。それを受けて、平成25年度はISOのタウ凝集阻害効果に着目し、より詳細な研究を遂行した。
(1) ISOのタウ凝集阻害機構の解明; ISOがタウ凝集阻害効果を示すにはタウに結合することが必須であり、その部位を特定することは新たなタウオパチー治療薬の開発に寄与出来る可能性がある。そこで、ISOのタウ結合部位を同定する実験を遂行した。その結果、ISOはタウに含まれる2つのシステイン残基に結合することを見出した。したがって、ISOはシステイン残基への結合を介して凝集時に形成されるタウ間のジスルフィド結合を抑制し、タウ凝集を阻害していると考えられる。
(2) D-ISOのin vivoにおけるタウ凝集阻害作用と安全性の検討; D-ISOは、ISOの光学異性体の1つでISOの有するアドレナジック作用がほぼないため、より安全性の高いタウ凝集阻害剤と成り得る可能性がある。そこで、D-ISOを脳内で凝集体が観察されるP301L変異体タウ過剰発現マウスに投与し、タウ凝集阻害作用と安全性を検討した。その結果、D-ISOは500 mg/kg body weightといった高濃度投与においても副作用を起こすことなく、タウ凝集を抑制することを見出した。
(3) ISOのタウ凝集体分解作用の検討; これまでの結果から、ISOはタウ凝集過程を阻害するが、一度形成されたタウの凝集体に対する作用は不明であった。そこで、ISOがタウ凝集体に対して分解および結合作用を有するかを検討したが、そのような作用は観察出来なかった。
以上より、平成25年では、ISOはタウ凝集体を分解せず、その凝集阻害作用にはタウ配列中のシステイン残基への結合が関与すること、さらに、D-ISOが高濃度まで副作用を誘発せずにタウ凝集を阻害することを見出した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 新時代に向けたタウオパチー研究集中講座2013

    • 著者名/発表者名
      添田義行, 高島明彦
    • 学会等名
      第32回日本認知症学会学術集会
    • 発表場所
      長野県松本市
    • 年月日
      20131108-20131110
    • 招待講演
  • [学会発表] タウ凝集阻害剤2013

    • 著者名/発表者名
      添田義行
    • 学会等名
      タウ研究ミーティング
    • 発表場所
      愛知県大府市
    • 年月日
      2013-08-09
    • 招待講演
  • [備考] 分子基盤研究部 国立長寿医療研究センター

    • URL

      http://www.ncgg.go.jp/department/nba/index.html

  • [産業財産権] タウ凝集阻害剤2013

    • 発明者名
      宮坂知宏, 添田義行, 他
    • 権利者名
      宮坂知宏, 添田義行, 他
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2013-076614
    • 出願年月日
      2013-04-02

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公開日: 2015-05-28  

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