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2011 年度 実施状況報告書

炎症時におけるトランスロケータープロテイン遺伝子の転写調節機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23790314
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

田原 強  独立行政法人理化学研究所, 分子プローブ機能評価研究チーム, 研究員 (20419708)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードトランスローケータープロテイン / 炎症 / ヘム
研究概要

トランスローケータープロテイン(TSPO)は、炎症時に誘導されることが知られている。そのため、炎症の特に脳内炎症の指標として、多くの研究が行われている。しかしながらその誘導機構については、詳細が明らかになっていない。そこでまずラット神経膠腫細胞C6細胞を炎症誘発剤リポポリサッカライド (LPS) 処理を行い、TSPO遺伝子の発現誘導について検討を行った。1、3、6、12、24時間のLPS処理におけるTSPO遺伝子の発現をRT-PCRにより調べたところ、処理後3時間において顕著な誘導が認められた。その誘導は、24時間後まで継続していた。TSPO遺伝子が誘導される条件が整ったので、次にLPSによるTSPO遺伝子の発現誘導のメカニズムを明らかにする為に、マウス、ラットおよびヒトTSPO遺伝子のプロモーター領域のクローニングを試みた。マウスおよびラットTSPO遺伝子プロモーターのおよそ500bp上流までクローニングが出来たので、ルシフェラーゼアッセイ用ベクターに組み込み、マウスおよびラットのTSPOプロモーターを用いたるしフェラーゼアッセイを、LPS処理したC6細胞を用いて行った。その結果、このマウスおよびラットの両TSPO遺伝子プロモーター領域において、LPS処理に応答したるしフェラーゼ活性の上昇は見いだせなかった。すなわち今回用いたマウスおよびラットのおよそ500bp上流領域には、LPSによって引き起こされる炎症によるTSPO遺伝子の誘導メカニズムに関係しないことが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度にTSPO遺伝子プロモーター領域におけるの炎症応答性配列を同定することを目的としていたが、今回は、すくなくとも500bp上流においては、目的の応答配列が無いことしか示すことが出来なかった。またヒトのTSPO遺伝子プロモーターに関しては、500bp上流領域のクローニングも出来なかったので、種差における遺伝子発現システムについて検討が完全ではない。

今後の研究の推進方策

初年度の実験方針を参考に、次年度はプロモーター領域のクローニングをもっと上流から行う。少なくともTSPO遺伝子プロモーターの2000~3000bpのクローニングを行い、炎症応答配列の検討をおこなう。前年度においては、ラット、マウス、ヒトにまたがってクローニングを行っていたので、まずは、一つの応答配列を見いだすために動物種をマウスに絞り、より上流領域のクローニングを最大の目的とする。

次年度の研究費の使用計画

初年度において、研究の進行が遅れたため、実験が先に進まず、そのため翌年への持ち越し金が発生した。次年度の実験形態の主なものは、細胞培養、クローニングおよびルシフェラーゼアッセイなどが挙げられる。そのため次年度における研究費の使用としては、主に試薬および消耗品の購入に充てる予定である。また初年度において発生した持ち越し金は、次年度において行う実験に必要となる試薬および細胞培養に必要なディスポーザブルのピペット、ディッシュなどの消耗品の購入に充てる予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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