研究課題/領域番号 |
23790330
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山口 裕嗣 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10542970)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 国際情報交流 |
研究概要 |
本研究は、アポトーシス細胞から放出されマクロファージの遺伝子発現を変化させる因子を同定すること、及びその因子のシグナルの生理的意義の解明を目的とする。平成23年度は因子の同定、平成24年度はその因子の生理的意義の解明を目標として研究を計画した。これまでの研究で、アポトーシス細胞の培養上清にはマクロファージの遺伝子発現を変化させる因子が存在すること、またその因子はタンパク質、DNA、RNA、ATPではない低分子化合物であることが分かっていた。平成23年度の研究では、まずアポトーシスを誘導したマウスT細胞株の培養上清をLC/MS解析に供し、そこに含まれる低分子化合物を網羅的に同定・定量することにより、多数の候補因子を得た。次いで、これら候補因子の存在下でマクロファージを培養し、その遺伝子発現変化を観察することにより、候補因子の絞り込みを行った。その結果、1種類の有力な候補因子を得た。次いで、この因子の分解酵素およびレセプターのアンタゴニスト存在下ではアポトーシス細胞とマクロファージを共培養してもマクロファージの遺伝子発現変化が見られないことを確認した。またLC/MS解析によりC57BL/6マウスから調製した胸腺細胞でもアポトーシス誘導時にこの因子が同様に放出されることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の目的であるマクロファージの遺伝子発現を制御する因子の同定が達成されたたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた候補因子について、その因子のシグナルの生理的意義を明らかにすることを目的とする。候補因子に対するレセプター遺伝子のノックアウトマウスを用いて、主に1)抗炎症性シグナルである可能性 2)アポトーシス細胞の貪食除去を効率よく行うためのシグナルである可能性に焦点を当て検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
遺伝子発現測定のための試薬、サイトカイン定量のための試薬、実験動物の交配・飼育維持に必要な消耗品購入に使用する。また得られた研究成果を国内外に発信するため、学会参加費用を必要とする。
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