研究課題/領域番号 |
23790337
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松下 雄彦 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (40467650)
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キーワード | オートファジー / 変形性関節症 |
研究概要 |
Autophagy誘導に必須遺伝子であるautophagy-related 5(Atg5)軟骨細胞特異的にノックアウトするコンディショナルノックアウトマウスの作製をまず行った。Atg5をloxpで挟んだ変異遺伝子マウスAtg5 flox/floxマウスとCol2a1-Creマウスと掛け合わせた後にAtg5 flox;Col2a1-Creマウスを獲得。次にAtg5 flox;Col2a1-CreマウスとAtg5 flox/floxマウスを掛け合わせ、Atg5 flox/flox; Col2a-Creマウス(軟骨細胞特異的ノックアウトマウス)を得る予定とした。しかしながら上記掛け合わせから、生まれてきた半数近くのマウスは生後間もなく、母親に食べられてしまい、予定していたようなメンデルの法則よりはるかに少数のマウスのみが得られるのみであったため、詳細な解析に至らなかった。 生き延びえた、Atg5 flox/floxマウスは外観上は正常で、交配にも可能と考えられたためさらに、Atg5 flox/flox; Col2a1-CreマウスをさらにAtg5 f/ox/floxマウスと交配し、より多くのノックアウトマウスを得られるようにした。Atg5 f/ox/flox;Col2a1-CreマウスはAtg5 flox/floxマウスと比較してやや小さい傾向を示した。現在、成長過程の骨格異常を調べるために、胎生16.5日のマウスと生後1日のマウスを組織学的および、骨格解析を行っている。 また、Atg5 flox/flox; Col2a1-Creマウスでautophagyが低下しているかin vivoで調べるために、Atg flox/flox; Col2a1-Cre;LC3-GFPマウスを交配により作成し、胎生16.5日で組織を獲得し、凍結切片にて解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述のごとく、胎生期では生存していたにも関わらず、生まれてきた多くの軟骨細胞特異的Atg5ノックアウトマウスは生後間もなく、母親に食べられてしまい、解析が行えるほどにマウスの獲得に至らなかったため遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、成長過程での骨格異常について調べる。組織学的検討にて四肢や胸郭、頭蓋底、脊椎などの骨の成長や成長軟骨帯の状態を調べる。 LC3-GFPトランスジェニックマウスの発現解析では脊椎でのGFPの発現が強く認められ、同部での役割が大きいと考え、脊椎も詳細に調べる予定である。 また、生き延びているマウスを用いて、老化に伴って変形性関節症の進行が早期にみられるかを調べる。現在生後約10か月まで、生存しているマウスがいるため、生後1年の時点で同じlitter mateと比較して変形性関節症に及ぼす影響を調べる。 さらに、マウスが増加してきたら、変形性関節症モデルを作成して、変形性関節症発症に与える影響についても調べる予定。
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次年度の研究費の使用計画 |
マウスの維持のため動物実験費400,000円、組織学的検討用免疫染色の抗体、試薬に約300,000円。その他の解析費用に約30,000円程度、学会発表費100,000円使用予定
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