研究課題/領域番号 |
23790348
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
大森 義裕 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 発生生物学部門, 研究副部長 (90469651)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 視細胞 / 繊毛 / IFT / 網膜 / ゼブラフィッシュ |
研究概要 |
平成23年度は、新たに同定したゼブラフィッシュの視細胞脱落変異体であるGEP360の解析を中心に行った。GEP360変異体のマップクロスを行い、ポジショナルクローニング解析により、GEP360の原因遺伝子変異を同定した。GEP360変異体には、新たなセントロソーム関連因子にナンセンス変異が存在することがわかった。現在は、GEP360の詳細な表現型解析を行っている。このGEP360では、視細胞の外節におけるタンパク質の輸送に異常があることが明らかとなり、明暗順応への関与が予想される。また、タフツ大学と共同で行った研究により、ゼブラフィッシュ変異体を用いて、視細胞の外節のタンパク質輸送にKif3Bが重要であることを明らかにした。この研究により、Kifファミリーの分子が組織特異的な機能を果たしていることが明らかとなった。 また、視細胞外節のタンパク輸送に関係し、網膜色素変性症の原因となる繊毛キナーゼMakの研究に関して、Makと相互作用する分子の同定をプロテオミクス解析の手法を用いて進めている。これまでに、Affinity Tag purification法とショットガンプロテオミクス解析法を融合した手法を確立し、Makと相互作用する分子の解析を行った。現在、データを収集し、解析を行っている。また、Makのパラログである繊毛キナーゼICKの網膜特異的なノックアウトマウスを作製し、Makとの機能的な比較に焦点を絞って研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゼブラフィッシュ変異体の解析については、原因遺伝子の同定に成功した。GEP360のポジショナルクローニング解析を行い、原因遺伝子の同定に成功した。また、繊毛キナーゼMakのプロテオミクス解析については、これまでの解析手法を確立し、解析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、GEP360の表現型解析を進める。現在手法を確立した解析法を用いてMakのプロテオミクス解析を進める。Makノックアウトマウスが明暗順応にどのようなメカニズムで関与しているのかを明らかにする予定である。Makのパラログである繊毛キナーゼICKの網膜特異的なノックアウトマウスを作製し、Makとの機能的な比較に焦点を絞って研究を進めている。
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次年度の研究費の使用計画 |
分子生物学用の一般試薬や消耗品、抗体の作成などに、研究費を使用する予定である。
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