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2012 年度 実績報告書

中枢神経系の可塑性を制御する糖鎖暗号の解読

研究課題

研究課題/領域番号 23790360
研究機関名古屋大学

研究代表者

大篭 友博  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80584755)

キーワード脊髄損傷 / 神経可塑性 / プロテオグリカン
研究概要

哺乳1日齢のラットプロテオグリカン画分に含まれる主たるKS/CSPGはホスファカンであることを明らかにした。さらに反応性アストロサイトから分泌されるKS/CSPGも、ホスファカンであった。この結果はホスファカンが真なる軸索再生阻害因子であることを強く示唆する。次にホスファカンが真なる軸索再生阻害分子であるか否かを明らかにするため、タグ融合型リコンビナントホスファカンを作製した。Fc融合型ホスファカンの発現ベクター(PMFc)を構築し、COS-1細胞に対して強制発現した。培養上清からFc融合型ホスファカンを精製し、抗KS抗体でイムノブロットを行った。その結果精製したホスファカンはKS鎖を有していることが明らかになった。また、このホスファカンはコンドロイチナーゼABC処理によって分子量が低下することから、コンドロイチン硫酸も有していることが明らかになった。一方で、KS鎖が結合すると推測される領域を欠損させたホスファカン(PFc)をCOS-1細胞に対して強制発現させるとKS抗体に対する反応性が失われた。興味深いことにこのホスファカンはコンドロイチナーゼABC処理によって分子量が低下することから、コンドロイチン硫酸は有していると考えられた。すなわち、ホスファカン上におけるコンドロイチン硫酸とケラタン硫酸の結合部位は異なる可能性が示唆された。最後にCS鎖とKS鎖の両者をもつホスファカン、CS鎖のみをもつホスファカンを用いて、小脳顆粒細胞に対する軸索伸長阻害効果を調べた。興味深いことに、CS鎖とKS鎖の両者を持つホスファカンは、CS鎖のみを持つホスファカンに比べ軸索伸長阻害活性が強いことが明らかになった。この結果はホスファカン上のCS鎖が軸索伸長を阻害するという先行研究を支持するだけでなく、ホスファカン上のKS鎖がCS鎖に匹敵する軸索伸長阻害因子であることを新たに報告するものである。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Minocycline selectively inhibits M1 polarization of microglia2013

    • 著者名/発表者名
      Kazuyoshi Kobayashi
    • 雑誌名

      Cell Death and Disease

      巻: 4 ページ: e525

    • DOI

      10.1038/cddis.2013.54

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CD44 expression in astrocytes and microglia is associated with ALS progression in a mouse model.2012

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Matsumoto
    • 雑誌名

      Neurosci Lett.

      巻: 520 ページ: 115-120

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2012.05.048.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ADAMTS-13 is produced by glial cells and upregulated after spinal cord injury.2012

    • 著者名/発表者名
      Ryoji Tauchi
    • 雑誌名

      Neurosci Lett.

      巻: 517 ページ: 1-6

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2012.03.002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The endogenous proteoglycan-degrading enzyme ADAMTS-4 promotes functional recovery after spinal cord injury.2012

    • 著者名/発表者名
      Ryoji Tauchi
    • 雑誌名

      J Neuroinflammation

      巻: 9 ページ: 53

    • DOI

      10.1186/1742-2094-9-53

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Asn54-linked glycan is critical for functional folding of intercellular adhesion molecule-5.2012

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Ohgomori
    • 雑誌名

      Glycoconj J.

      巻: 29 ページ: 47-55

    • DOI

      10.1007/s10719-011-9363-0.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Keratan sulfate restricts neural plasticity after spinal cord injury.2012

    • 著者名/発表者名
      Shiro Imagama
    • 雑誌名

      J Neurosci.

      巻: 31 ページ: 17091-17102

    • DOI

      10.1523/JNEUROSCI.5120-10.2011

    • 査読あり
  • [学会発表] Ablation of keratan sulfate accelerates early phase pathogenesis of ALS.2013

    • 著者名/発表者名
      大篭友博
    • 学会等名
      第5回NAGOYAグローバルリトリート
    • 発表場所
      あいち健康プラザ(大府)
    • 年月日
      20130201-20130202
  • [学会発表] Amyotrophic lateral sclerosis and keratan sulfate2012

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Ohgomori
    • 学会等名
      The 4th Global COE International Symposium
    • 発表場所
      キャッスルホテル(名古屋)
    • 年月日
      20121115-20121116
  • [学会発表] ALS発症に関わるミクログリアの活性化とケラタン硫酸の決定的相関2012

    • 著者名/発表者名
      大篭友博
    • 学会等名
      名古屋大学-生理学研究所共同シンポジウム
    • 発表場所
      岡崎コンファレンスセンター(岡崎)
    • 年月日
      20120929-20120929
  • [学会発表] 筋萎縮性側索硬化症とケラタン硫酸2012

    • 著者名/発表者名
      大篭友博
    • 学会等名
      第35回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋)
    • 年月日
      20120918-20120921
  • [学会発表] ALS発症に関わるミクログリア活性化とケラタン硫酸の決定的相関2012

    • 著者名/発表者名
      大篭友博
    • 学会等名
      包括脳夏のワークショップ
    • 発表場所
      仙台国際センター(仙台)
    • 年月日
      20120725-20120727
  • [備考] 名古屋大学大学院医学系研究科生物化学講座分子生物学ホームページ

    • URL

      http://www.med.nagoya-u.ac.jp/biochem/

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公開日: 2014-07-24  

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