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2012 年度 実績報告書

急性骨髄性白血病におけるヌクレオフォスミンの新たな機能損失の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 23790367
研究機関島根大学

研究代表者

坂下 暁介  島根大学, 医学部, 助教 (00397457)

キーワード病態医科学 / 細胞周期
研究概要

本年度は、核小体タンパク質NPM1のC末端領域に結合するタンパク質の同定を試みた。NPM1のC末端約100アミノ酸をコードする遺伝子をHeLa細胞に導入し、NPM1タンパク質をゲルろ過およびアフィニティーカラムにより精製し、質量分析をおこなった。その結果、60Sリボソームの構成因子であるリボソームタンパク質RPL22を同定した。NPM1/RPL22複合体は培養細胞においても認められ、細胞周期間期の核内でrRNAを介して形成されることが明らかとなった。また細胞分裂期では、活性化したCDK1によりNPM1がリン酸化されてrRNAとの結合能を失うため、結果的にNPM1/RPL22複合体が解離することが明らかとなった。分裂期におけるNPM1のRNA結合能制御には、オーロラによるリン酸化は関与しなかった。よって、初年度の研究成果と考え合わせると、分裂期におけるNPM1のS293のリン酸化はNPM1の核小体への局在とRNA結合能のいずれにも関与しないことが明らかとなった。
急性骨髄性白血病患者の約3割に認められる変異型NPM1(NPM1c)は、核小体移行シグナルが消失し、新たに核外移行シグナルを獲得しているため、細胞質に局在する。試験管内における再構成実験から、NPM1cはRNA結合能を完全に失っており、培養細胞を用いた実験においても間期でのNPM1/RPL22複合体を形成しなかった。この結果は、NPM1cがRPL22と複合体を形成できないのは、NPM1cが細胞質に局在することに加えて、本質的にRNA結合能を失っていることが原因と考えられた。

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公開日: 2014-07-24  

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