前年度、研究実施計画書に従って、TFAMを中心としたミトコンドリアヌクレオイドの機能の調節機構の解明を進めていた過程で、ミトコンドリアでの翻訳後修飾機構が、核や細胞質ではみられない独特なものである可能性が示唆された。今年度は、その機構が、アセチル化に限らず、サクシニル化、マロニル化にまで共通である事、また、対象となるタンパク質が、本研究の対象としたTFAMのみに限られたものではなく、より広く他のタンパク質にも共通の機構であることを確認した。これらを確認する上で、修飾タンパク質、その修飾部位およびその修飾率をより正確に求めるために、それぞれ再現性を確認した。また、この修飾機構の詳細を明らかにするために、様々な修飾条件を調べることで、その特異性を示す機構を明らかにした。また、この修飾をはずす脱修飾機構は、既知のSirt3やSirt5を使用していることも再現性を確認した。今後、この機構が生体内でどのように調節されているかを明らかにしていきたいと考えている。
|